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モワサック は、フランス南西部に位置するオクシタニー地域にある田舎村です。
教会前が大きな広場になっています。
タルヌ=エ=ガロンヌ県というだけあって、タルヌ川とガロンヌ川の合流する場所にあり、川岸を散策するのはとっても気持ちいいです。
高台に登ると、川を見下ろせるこんな風景に出会います。屋根に統一感があり、フランスの南に来た、という感じがします。
実はこの村、結構「すごい」ところなのです。まず、サンチアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路の一部として世界遺産に登録されています。
さらに、サンチアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路の要所の一つであり、現在でも一年中多くの巡礼者が訪れます。巡礼者は宗教的な目的の人はもちろん、観光目的、健康のため、気分転換、人生に迷った人(?)など目的はさまざま。つまり、世界中の人が集まっているということです。
そして、このモワサックのサン・ピエール修道院の8世紀に作れられたファサードは最後の審判を表した巨大なタンパンで飾られ、ロマネスク彫刻の傑作の一つといわれ、美術史の教科書に必ず登場してくるものです。
ロマネスク彫刻は、ゴシック彫刻と違い写実的ではなく、人物たちが漫画的で、ゆるキャラ(笑)のように表現されているのが特徴です。
必ず訪れたいのは、この修道院に付属した回廊(入場有料)です。
今では、近くに電車が通っているため、時折電車の通る音が。それ以外は静寂に包まれた、心が落ち着く空間です。
かつてここを修道士たちが瞑想をしながら歩いたと思うと感慨深いですね。
この回廊が建造されたのは、1100年。柱に1100年に建造されたという記載があります。
ここにラテン語で、そう書かれてあるそうです・・・
柱の上部には、柱頭という部分があり、ここもロマネスク彫刻によって飾られています。
これらの多くは、物語的柱頭といって、それぞれの側面にあるエピソードの異なる場面が表現されることによって4コマ漫画のようになっています。
聖書のエピソードが語られているので、聖書のエピソードを知っていると、より一層この彫刻のすごさがわかります。
よく見ると、人物の顔部分が全て破壊されています。これは、革命期に壊されてしまったものです。フランス革命は、特権階級に対する革命だったので、特権階級だった教会も破壊の対象になったのです。
世界遺産の村、モワサック。フランスの地方都市を旅行する際には、ぜひ訪れたい田舎村です。
渦
トゥールーズ発
【プライベートツアー】 専用車で行く モワサックとオーヴィラール半日観光 ~世界遺産サンチアゴ巡礼路の美しい村を訪ねて
モワサック、サン・ピエール修道院とその回廊
2017-11-27
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