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ヴァンセンヌの森の中にひっそりとたたずむ劇場で、モリエールの『タルチュフ』を観劇してきました。
モリエールのフランス語は、非常に難しく、内容は日本語のウィキペディアで予習したのでなんとかわりましたが、みんなが笑っているところで笑えないのは悔しいですね。
ヴァンセンヌの森の中には、4つの劇場(l’Aquarium, l’Épée de bois, le Soleil, la Tempête)があり、同じ場所にそれぞれが独立した形で運営されています。どれも、個性的な作品をやっています。
そもそものこの劇場は、第3共和政時代、軍所有のカートリッジ工場を改装したものだそうです。1889年軍隊はヴァンセンヌの森に領地を広げる決定をします。ここに、射撃場、火薬、大砲の工場をつくりました。1970年には、この領地は軍隊から放棄され、すべて取り壊される予定でした。
しかし、そこはフランス。19世紀の工場もまた文化遺産の一つです。Théâtre du Soleil という劇団がまずここを本拠地にして活動を始めます。そして、時間とともに、他の3つの劇団がそれぞれの工場の棟を改修し、劇場に仕上げました。
EPEE DE BOIS劇場の内部。外観からは考えられないほどの温かみにあふれています。
簡素な舞台ですが、『タルチュフ』を演じるために、非常に考えられた作りです。舞台も、衣装も、小道具も、すべて劇団たちの手作りだそうです。好きなことをやって、貧乏生活でも、きっと充実してんだろうな、なんて、感傷的になってしまう。
手作りの劇団による、古典演劇。難しかったけど、面白かった!
入場料は講演にもよりますが、15EURから20EUR。
THÉÂTRE DE L’ÉPÉE DE BOIS
Cartoucherie
Route du Champ de Manœuvre
75012 Paris
地下鉄1号線
終点シャトードヴァンセンヌより徒歩
渦
ヴァンセンヌの森にある劇場 EPEE DE BOIS
2016-12-18
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