-
パリ7区にある聖クロチルド教会をごぞんじですか?
日本の衆議院に当たる「国民議会」のすぐ近く
パリ7区に位置するこの教会は、
6世紀の聖人、聖クロチルド と3世紀の聖人 聖ヴァレリーにささげられています。
この教会、パリのノートルダム大聖堂と似ています。
正面にある3つの大きなアーチ、
中央のバラ窓、
そして、両側にそびえる2つの塔。
この教会は19世紀半ばに建てられましたが、その約500年前に建てられたパリのノートルダムと同じ、ゴシック様式で建てられています。
18世紀から 19世紀にかけて、ふらんすではゴシック様式の教会がたくさん建築されています。それらの様式を、新しいゴシックという意味で、ネオ・ゴシックといいます。
同時代、イギリスでもゴシック・リヴァイヴァルとして、ゴシック様式を復活させた建物が建てられています。一番有名なのが、ビックベンで有名な、イギリスの区民議会です。
ヨーロッパ中で、そういう時代だったということですね
クロチルドは、フランスの元になった、フランク王国の王様、クロヴィスのお后です。
クロヴィスをキリスト教に改宗させたことで知られていて、フランスがキリスト教の国になったきっかけを作った人物です。
王妃なので、王冠をかぶり、王笏(おうしゃく)を持っています。
正面アーチの反対側にいるのが、クロヴィスです。
こちらは主身廊。
一階部分は、ゴシック様式の尖がったアーチ、「尖頭アーチ」のアーケードになっています。
その上は、トリフォリウムという装飾部分、
そして、三階部分に、大きなステンドグラスが続きます
側廊の壁には、イエスが十字架を運ぶ物語が、左の側廊に7枚、右の側廊に7枚、合計14枚の浮彫パネルで表現されています。
これは、「十字架の道」とか、「嘆きの道」といわれているものです。
イエスは、十字架を背負いながら、処刑場所であるゴルゴダの丘まで行きました。
その道は、現在もエルサレムに残っていて’、そこを巡礼するのが、中世に流行したそうです。
しかし、すべての人がエルサレムに行けるわけではない。
その巡礼を、簡易的に教会内で再現したものが、ここにある十字架の道です。
パネルを見ながら、イエスの受難を追体験することができます。
パリの中心地にもかかわらず、ひっそりとして、とても穴場的(?)教会です。
パリの散策の一つのアイディアとして、十字架の道の追体験もいいかもしれません。
渦
Basilique Sainte-Clotilde
23B Rue las Cases, 75007 Paris
知られざる?19世紀のゴシック聖堂@パリ7区
2021-06-28
最新記事