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以前紹介した秋田・大館の老舗『花善』の鶏めし
またいただく機会がありましたので、ご紹介します。
秋田県大館、老舗『花善』と言えば、日本全国に駅弁でしられ、全国ネットのテレビ番組などでも、しばしば取り上げられています。
創業は、明治32年。文字通り、老舗中の老舗。
なんと、現社長は、4代目だそうです。
全国的に有名な老舗の子供生まれる。
一体どのような感じなのでしょうか。
物心ついたらすぐに、弁当屋の跡継ぎとして、将来が決まっているようなものだったのか。
それとも、小さい頃から慣れ親しんでいたであろう、家族の稼業に憧れがあったのか。
秋田と言えば、なまはげ!「わるいこはいねかー?」
自分のしたいことをやりたい、といった、いわゆる青春の葛藤がなかったのか?
先祖代々伝わる味を落とさずに、現代でも事業として成立させるのは、並大抵のプレッシャーではないはず!
地元秋田の小学校でも、秋田の名産をどのように保持し、発信していくか、といった講演もやられているそう。
機会があったらぜひ、色々なことを伺うために、ロングインタビューしてみたい!
前置きが長くなりましたが、さて、こちらがとりめし弁当。
相変わらずの美味しさ。
箱も、高級感のある木箱。
端っこに映っている袋は、つまようじ入りの、割りばし。
お弁当をいただいて気づくのは、味はもちろんなのですが、ほんのりと香ってくる杉のいい香り。
この香り、この割りばしから来ています。
この割りばしは、なんと、高級木材、秋田杉から作られているのです!
使い捨ての割りばしに、秋田杉を使うなんて、もったいない!と一瞬思てしまいますが、これは、間伐した秋田杉を原料として使っているのだそうです。
間伐(かんばつ)とは、スギやヒノキが植わっている人工林で行われる作業のことで、木が適切な生育状況で育つために、過密になりすぎた場所の木をいくつか伐採することです。
間伐のおかげで、日当たりが良好になり、すくすくと大きくなった秋田杉は、秋田の工芸品の「まげわっぱ」などに使われることになります。
そして、伐採されたわかい杉は、例えば、秋田名物の駅弁の割りばしになる。
林業、工芸、飲食業のつながり。
いまは、割りばしに注目しましたが、使っているお米は秋田こまち。
おそらく、一つ一つの食材にも、このようなドラマがあるのでしょう。
秋田の名産が有機体のように結びついて、それが、弁当という一つの商品の中に結集している!これを文化とよばず、他に何を文化と呼べようか!
こちらは、本日の定食。
豚のチャーシュー丼のような感じですが、これが、また、最高に美味!
感動する味でした。
ネット社会、通信販売の世界、ある程度妥協して、大量に販売することが出来てしまう現代において、製法、味、秋田の味、様々なものにこだわり続けることは、相当な覚悟がないと、様々な誘惑に流されてしまうのではないでしょうか。
素晴らしいお弁当、ありがとうございました!
渦
花善のHP
https://parishanazen.fr/index_jp.html
1899 TORIMESHI
34 Rue Condorcet, 75009 Paris
やっぱり日本の弁当はおいしいわ!花善、鶏めし@Paris
2020-12-21
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