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シャルルヴィル・メジエールといって、「おっ」とおもう日本人は、おそらく2つのケースに分かれると思います。
1つは、詩人のランボー(怒りの鉄拳、スターローンのほうではなく)の大ファンか、
あるいは、人形劇に携わっている方か。シャルルヴィル・メジエールは、詩人ランボーの生まれ故郷であり、生家が残って見学可能になっています。
そして、2年に一回の人形劇フェスティバルが行われる、人形劇にゆかりのある場所なのです。2019年のフェスティバルは、9月20日から29日の10日間にわたってシャルルヴィル・メジエールで開催されました。
その最終日である29日にフェスティバルに行ってみました。シャルルヴィル・メジエールはパリから約240KM。車だと3時間、電車だと2時間の距離です。つまり、パリから日帰りが可能。
シャンパンで有名なランスを経由してさらに北上します。パリの東駅からの電車に乗り、シャルルヴィル・メジエールの駅に着きました。
駅から街の中心地までは、徒歩10分ほど。
あいにくの雨。パリより、北なので、結構寒い。ここが町の中心。ドゥカル広場。パリのヴォージュ広場をモデルにしているそうで、同じスタイルの建物によって四方が囲まれています。
広場には、人形屋さんが並びます。
招待されたアーティストの一人で、今回街頭紙芝居をやっている日本人の方がいました。
残念ながら、公演チケットは売り切れで、実演は見ることができませんでしたが、ドゥカル広場でその展示をやっていました。黄金バットなど、名前は聞いたことがある紙芝居が展示されていました。
1930年代の昭和恐慌で生まれた失業者が、資本いらずに始められる街頭紙芝居屋をやることでブームになったのだそうです。日本の無声映画には、内容を解説する弁士がついていたそうですが、ちょうど映画がトーキーにもなる時代だったため、職を失った弁士も紙芝居屋に転職したとか。その後、戦争時代にはいると、政府のプロパガンダ色が強くなり、軍国主義思想を子供たちに教える道具になっていきます。そのため、戦後になると、GHQの検閲にひっかかり、すたれていくことに。それと同時に、アメリカ文化を象徴するテレビが入ってくるわけで。。。テレビを売り出したいから、紙芝居を禁止した、、、ってことも考えれるのかもしれません。
フランスにいると、しばしば日本のものに出会いますが、非日本人の視線から日本文化が語られるので、新鮮です。単純にものを知らないだけかもしれませんが。。。
残念ながら、展覧会は撮影禁止なので、しゃしんがありません。
こちらは、無料公開していた人形劇。ワッフルで有名なベルギーはリエージュからやってきたアーティストでした。
小市民の主人公が大活躍して、悪魔をやっつけたり、敬愛するお姫様と騎士の結婚を取り持ったり。フランスの子供たちも人形劇になれているのか、「がんばれ!まけるな!」、「あぶない!後ろに悪魔がいる!」などと叫びながら大興奮。大人が見ていても、とっても面白いレベルの高い技芸として完成されたものでした。このような人形劇文化が根付いている欧州はやっぱりすごいな。
即興をやっている方もいました。
せっかくなので、詩人のランボーの生家も行ってきました。
なんの変哲もない、普通のアパルトマン。まどからは、公園が見えます。
こんな場所から、詩人の天才ランボーが生まれたのだな、とすこしだけしんみりしました。
これを機に、ランボーを少し勉強してみようか、とおもったまま、今まで来てしまいました。まあ、機会があれば。今後。今後。雨で盛り上がりに欠ける日となってしまいましたが、ぜひ今度は天気のいい日にリベンジしたいです。
渦
2年に一回の人形劇フェスティバル2019
2019-10-28
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