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パリ郊外、閑静で、瀟洒な住宅がならぶサンジェルマンアンレー。
今回は第3弾。
紹介するのは、パビオンアンリIV(キャトル、とフランス語で読んでいただきたい)です。
ここは、以前のブログで紹介した、庭園と隣接しています。
ブログの中で紹介したように、以前はここにシャトーヌフ(新しい城)という王の住居があました。今ではそのほとんどがなくなってしまっているのですが、実は、その一部のみが残っていて、そこが現在「パビオンアンリIV」という名のホテル・レストランになっています。
このホテルレストランが有名な理由は2つあります。
1)ヴェルサイユ宮殿を造り、「朕は国家なり」とのたまったルイ14世が生まれた場所がここ。
庭園のほうからパビオンアンリIVに入る場所には、「ルイ14世が生まれた場所」というプレートがあります。乳母車の絵がそうです。少し小さいですわかりますか。
しかし、有名なのはそれだけではなく、
2)伝統的なフランス料理の有名ステーキソース「ベアルネーズソース(フランス人はベルネーズ、と発音しています)」発祥の場所なのです。
ベアルネーズソースは、バター、白ワイン、ビネガー、エストラゴン、エシャロット(あるいは玉ねぎ)、卵黄を弱火で煮詰めて作るステーキソース。
フレンチの定番中の定番。かなり濃厚なソースです。
食通で知られたアンリ4世が、ベルン出身だったので、ベルン風ソース=ベアルネーズソースという名称がつけられました。
「ベアルネーズソースのステーキ」で検索すると、レシピもでてきますので、興味のある方、ぜひチャレンジしてはいかがでしょうか。
そして、別のフレンチの定番料理がここで考案されています。
ポンム・スフレ(ジャガイモのスフレ)です。薄く切ったジャガイモを油で2度揚げして、ふっくらと膨らませる、メイン料理の付け合せです。
この料理が生まれたのにも、裏話があります。
1837年8月24日、その日はパリ-サンジェルマンアンレー間の鉄道開通記念として、式典がサンジェルマンアンレー終点駅で行われる予定でした。当時のフランス国民の王、ルイ・フィリップのお后だった、マリ-・アメリー皇后が出席予定でした。
列車到着と同時に、料理が振舞われることになっており、料理の責任者だったのが、当時のパビオンアンリIVの総料理長だったコリネ氏でした。ベアルネーズソースのステーキの考案者もこのシェフです。
当日のメニューは、エスカロップのグリルとフライドポテト。
列車の到着時間に合わせて、料理人は用意していた薄切りジャガイモを油の中に入れ、揚げ始めました。
すると、列車遅延の知らせが、駅構内に流れます。
このまま調理をつづけると、到着した際には料理が冷めてしまうと判断した料理長のコリネは、一旦ジャガイモを油から出させました。そして、列車到着にあわせて、もう一度油の中に入れさせました。
しかし、今度は、油の温度が上がりすぎていて、一度揚げられたジャガイモは、ふっくらと黄金色に膨らみ始め、最終的には玉のようなフライドポテトになった、という話です。
最終的に、ふっくらと膨らんだフライドポテト、ポンム・スフレがパビオンアンリIVの名物になりました。
もちろん、いまでもこの名物、ベアルネーゼソースのステーキと、ポンヌ・スフレの付け合せをパビオンアンリIVで食べることができます。
テラスもあり、眺めは最高!
庭園とは別の出口から出た場所も、階段が丘の下まで続く、隠れた写真撮影スポット。
サンジェルマンアンレー、魅力的過ぎる!
パビオンアンリIV
19-21 rue Thiers 78100 St Germain-en-Laye
Tél : 33 (0)1 39 10 15 15(渦)
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