ギメ美術館にて開催中 、特別展「MEIJI 」 みゅうパリ ブログ記事ページ

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    ギメ美術館にて開催中 、特別展「MEIJI 」


    2018-12-04

  • 日仏国交160周年、さらに、明治時代、日本開国150周年ということで、「ジャポニスム2018」で盛り上がっているフランス。

    みゅうブログでもさまざまな展示会・イベントを紹介しました

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    今回は、パリで日本を含むアジアの美術・工芸作品を展示しているギメ美術館にて開催中の「MEIJI」を紹介します。

    明治時代といえば、日本での激動の変化があった時代です。西洋列強が植民地政策を取る中で、日本が怒涛の勢いで、近代化、西洋化を遂げていきます。

    こちらがギメ美術館。1日では到底見切れないほどの常設展の作品数を誇ります。

     

    その時代の美術作品、工芸品を通してその激しい変化を探ろうというのが、この展示会の狙いです。

    例えば、この絵画。

    右に座るのが明治天皇ですが、服装は西洋風の軍服です。

    家具、背景も含め、すべてが洗礼された西洋文化由来のものが表現されており、日本の上層部がすでに西洋文明に親しんでいる様子が表現されています。

    こちらは、日清戦争の威海衛の戦いを描いたもの。

    外国軍顧問団を連れて清側の提督が降伏する場面ですが、清側の提督は降伏せずに自決しているので、この絵画は想像で描かれていると考えられます。

    日本側が西洋風の軍服を着て、西洋に習った軍隊を持つ日本が左。未だに伝統的な民族衣装をきた清側が右です。西洋文明を取り入れた日本と、後進の清という対比が強調されています。

    日本自らのイメージを西洋化し、日本国も工場建設、鉄道敷設など近代化がすすみます。

    時を同じくして、開国以降、日本の工芸品、美術品が西洋に入り始め、西洋では日本美術の熱狂的ブームが到来します。

     

    そのブームに拍車をかけたのが、万博でした。日本政府も日本をプロモーションするためにこの絶好の機会を使い、日本の伝統工芸、絵画を出品します。大成功を収めた日本美術は、フランスの芸術界にも深い影響をあたえます。モネ、ゴッホ印象派の画家たちが日本の浮世絵に多大な影響を受けているのは有名ですね。

    1870年後半には、日本の工芸品は日本の輸出品2位にまで拡大します。

    日本としては重要な輸出品をさらに伸ばさなければいけません。国内の近代工業化と同時に、日本の伝統工芸が西洋マーケットの需要にこたえるためにより奨励されるようになります。

     

    その際に作成されるのは、西洋人が好むようなもの、でした。

    つまり、西洋にない、純日本的なものが多く西洋マーケット用に制作されました。

    例えば、武士の彫刻。

     

    書道の道具。

     

    お茶の道具は西洋風。

    珍しいものでは、日本の妖怪のフィギアなど。

     

    もちろん、着物もおおく西洋に入ってきて、高値で取引された美術品でした。

    着物をバスローブ(?)のようにはおるというような着かたをされたようで、当時ブルジョワ階級の女性が着ていたコルセットで締め付ける服装から女性を解放する、フェミニスムの運動にも貢献したことが興味深いです。着物を西洋風にきることは、上流社会のなかのいわば流行となるのですが、日本では一生懸命西洋風の服に慣れようとしているときに、西洋では着物がブームだったという逆転現象が何よりも面白いですね、

    例えば、こちら、有名なモネの絵画。

     

    これは、ボストン美術館にあるもので、今回のMEIJI展では展示されていないので、あくまで参考ですが、女性の着物の着こなし方や、着物のモチーフ(武士!)がまさに当時の状況を良く示しています。

    日本は開国することで、自らが持つ伝統工芸のレベルの高さを知ることになりますが、しかし、何が伝統工芸なのか、何が日本的なものなのかは、日本的でないもの(西洋)との出会いによって初めて明らかになるものでした。

    MEIJIとは、西洋文明化の時代であるとともに、日本が日本を意識しはじめた時代だったようです。

     

    Le Gaux


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