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ただいま開催中のドラクロワ展に行ってきました。
ルーブル美術館の入り口には、お土産屋さんがありますが、ここもドラクロワ一色。
彼の最も有名な作品、『民衆を導く自由』※をモチーフにしたお土産が平積みになっています。
※『民衆を導く自由』はただいま特別企画展示室にあるため、一般のルーブルツアーでは見学不可です。ご注意ください。
ドラクロワ展の入り口は、スリー館の地下部分。入口のエスカレーターを登ると、常設展に行ってしまうので、そのまま、登らずに進みます。
そうすると、この特別展示スペースに行きます。混んでいる時は、予約制になりますので、まず、自動販売機にて時間予約券(無料)を手に入れてください。
予約券のとり方は、フェルメール展のときと同じです。こちらのブログを参考にしてください♪
第一展示室に入ると、突然彼の主要作品があらわれます。
写真右から、ダンテの『神曲』、地獄編をモチーフにした《地獄のダンテとウェルギリウス》。詩人ウェルギリウスに連れられたダンテが地獄の湖を渡っているところが描かれています。ドラクロア24歳の作品。
真ん中が、『キオス島の虐殺』。この絵画は、同時代に起こった歴史的事件を題材にとっています。1821年、オスマントルコ帝国の占領下にあったギリシャが独立戦争を起こします。トルコ軍は、独立派を鎮圧するとともに、一般住民を巻き込む虐殺を行いました。ドラクロアは現地に行ったことがありません。テレビも、写真もない時代に、新聞の文字情報から、この絵を完成させます。この絵画は人々を感動させ、ヨーロッパ諸国に、ギリシャ独立支援の世論を形成することに貢献します。この絵画が26歳の時。
そして、最も有名な絵画、1830年にフランスで起こった「七月革命」を題材にとった、『民衆を導く自由』が左に見えます。フランスは1789年にフランス革命により王政は一旦終わりますが、その後王政復古の時代が来ます。ルイ18世、シャルル10世と続き、権力者たちはフランス革命以前の社会に戻そうとしました。それにパリ市民たちが立ち上がり、シャルル10世の王政が打倒されました。まさに、その事件を生きていたドラクロワ、事件が起こった1830年にこの絵画を発表しています。なんと、3カ月で描いたといわれています。ドラクロワ、33歳の時。
大体このあたりがドラクロワの有名作品なのですが、実は、これらの作品は、ドラクロワの初期の作品にすぎません。かれは、65歳まで生きますが、その後もずっとフランスの芸術界、ロマン主義を代表する巨匠として活躍します。つまり、私たちがしっているドラクロワは、40年のキャリアを持つ芸術家の、たった初めの10年しか知らないのだということです。
では、彼は、他にどんなことをやっているかというと、
本の挿絵を書いたり、
モロッコ旅行に行って、オリエンタルなリアルな世界を絵画にしたりしています。
このスケッチブックは、実際に旅行に行った際にドラクロアが水彩で描いたものです。写真がない時代は、このように画家を同行させて記録させることもあったのですね。
そのほかの展示室には、風景画、肖像画、静物画とすべてのジャンルの絵画を追求した巨匠の姿を見ることができます。
印象派の画家たちは、ドラクロワを称賛していたのですが、この展示会にくるとドラクロワがいかに印象派の先駆者となっているかがよくわかります。
印象派好きのかたにも、必見の展示会です。
渦
ドラクロア展
ルーブル美術館 特別展示室にて
7月23日まで
パリ発
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ルーブル美術館、ドラクロワ展
2018-05-08
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