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パリ観光局の2016年の統計によると、パリには美術館が206箇所、アートギャラリーが1016箇所あるそうです。
《モンマルトル美術館》は206箇所の美術館のうちのひとつです。
モンマルトルのぶどう畑のすぐ横にあるモンマルトル美術館はルノアールやユトリロがアトリエとして使っていた邸宅です。1904年、洗濯船(BATEAU LAVOIR)の上にピカソが住み、スペイン人仲間、そして、オランダからドンゲン、ドイツからフルードリシ、イタリアからモジリアニ、そして、ブラマンク、アポリネールなどなどが居ついて洗濯船は多くの芸術家たちの交流の場になりました。
*因みに 、ピカソがモンマルトルに住んだ理由のひとつとしてモンマルトルには20世紀始め小さな工場がたくさんあり、ピカソはセラミックを使った作品つくりをしていたからということです。
尚、モンパルナスへ芸術家たちが集まり始めるのは1912年ころからです。
モンマルトル美術館は小さな美術館ですが、1900年代のパリの田舎『むかしのモンマルトル』に思いを馳せる《酒場の看板:シャノワール》、《ラパンアジルの看板:他美術館に貸出中》や《ムーランルージュのポスター》など展示されているほか、モンマルトルの人ごみがうそのような(旧)ルノアールのアトリエの静かな庭のテラスでコーヒーを飲みながら快いひと時を過ごすことができます。
12/25と1/1を除いて毎日オープンしています。
キース・ヴァン・ドンゲン(1877~1968)の特別展が2018.02.16-08.26に開催されます。
今回の特別展の作品は1902-1911を対照にモンマルトルとヴァン・ドンゲンを浮き出しています。
簡単な画家説明:キース・ヴァン・ドンゲン(1877~1968)
オランダのロッテルダム郊外出身、フランスのモンマルトルの「バトー・ラヴォワール(洗濯船)」の住人になりピカソ、マックスジャコブたちと交流。フォーヴィスムの運動に参加したのち、1920-30年代、青・緑・紫を主調とした色彩の当時の社会と風俗を写した官能的な肖像画、華やかでファッショナブルな社交界、流行の衣装を着た婦人たち、享楽的な雰囲気の画面を描いたことで当時の上流階級の趣味に受け入れられました。エコール・ド・パリのひとり、国際肖像画家とも称される。
出展作品はたくさんの美術館、個人蔵より貸出されたものです。
作品はピカソと友好関係後、ピカソがキュビスムに進んで行ったのに反し、ドンゲンはフォービスムを続けました。
今回の特別展の65の出品作品の一部より
洗濯船の中の絵
本『au beau temps de la Butte』の挿絵
背を向けているのがヴァン・ドンゲン、真ん中がフェルナンドとピカソ、街灯の横に立っているのが、アポリネールとのことです。
モンマルトル美術館
Musée de Montmartre
12-14 Rue Cortot, 75018 Paris
10時~18時
(史)
モンマルトル美術館 キース・ヴァン・ドンゲンの特別展
2017-12-07
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