マルセイユの丘の上の教会 ノートルダムドラギャルド みゅうパリ ブログ記事ページ

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    マルセイユの丘の上の教会 ノートルダムドラギャルド


    2017-04-09

  • マルセイユのシンボルともいえるのが、このノートルダムドラギャルドという丘の上に建つ教会。

     

    1864年に完成したこの教会のスタイルは、ネオロマネスク・ビザンチン様式。ロマネスクというのは、10世紀から11世紀にかけて発展した教会の建築様式で、半円アーチが特徴です。この半円アーチがゴシック時代になると、頂点がとんがったゴシック様式特有のアーチに発達していきますが、この教会が建築された19世紀には、過去の様式、とくにゴシック以前の様式を建築に取りいれるのが流行っていたのです。ですから、いたるところのアーチが、とんがりアーチではなく、半円アーチになっています。同じ時代に作られたのは、パリのサクレクールですね。サクレクールも、ネオロマネスク・ビザンチン様式です。

    しかし、教会の内部装飾は、モザイクを基調としたビザンチン様式です。ビザンチン様式は、現トルコのビザンチン帝国で発達した建築様式でその代表的な例が、イスタンブールにあるハギア・ソフィア教会。大きなドーム型天井と、内部のモザイク装飾が特徴ですが、まさにその様式をノートルダムドラギャルド(パリのサクレクールもまさに同じです!)は取り入れています。

    元々は、マルセイユにいくつか存在する丘の上に建つ聖母マリアにささげられた小さな礼拝堂でした。その丘は、ラギャルドと呼ばれていたので、その礼拝堂も、ラギャルドの礼拝堂と呼ばれるようになります。16世紀になると、マルセイユを防衛するために、要塞が作られます。その一つが、『モンテ・クリスト伯』の舞台として知られるイフ城。そしてもう一つが、このラギャルドの丘に築かれました。

    このように要塞に囲まれた礼拝堂は、主に兵隊たちの教会となり、一般信者は日中しか訪問できなくなりました。

    教会が今ある姿に変わったのは、19世紀半ばです。教会の責任者が、教会の建て替えを防衛庁に申し出ます。鐘楼をもつ巨大な教会の建築計画でした。訪問者が増えていく中で、現状の礼拝堂では小さすぎたのです。しかし、要塞の中にあった教会は、要塞を管轄する防衛庁の許可が必要でした。教会関係者たちは、あまり期待せずに申し出たのですが、許可はおり、1853年に大工事が始まり、1864年に完成しました。

    この教会に行くにはいろいろな方法があります。

    マルセイユの街の中心地である旧港から、60番のバスに乗って教会入口まで行くことができます。20分毎にバスがあるので、早めに20分で回るか、時間をかけて40分で回るかをあらかじめ決めておくと、時間のロスがありません。

    あるいは、ミニトレインにのっていくこともできます。

    大人8ユーロで、旧港出発。海岸沿いも通るので、マルセイユの街並みをざっくりと観光できるので、おすすめです。この教会で20分ほど停車して、全体の所要時間が1時間30分ほど。

    もちろん徒歩でも行けますが、丘を登るので、足に自信がある方にお勧めします。結構傾斜は急ですので、ご注意ください。

    こちらが、教会からみた景色。マルセイユを一望できます。

     

    こちらが内部の装飾。

    ビザンチン様式なので、内部は宝石箱のよう!1センチ角に切った色付きガラスを、下絵に忠実に張り付けていくことで、内部壁を装飾しています。天井も床も全てモザイクです。

    さらに、柱はあえて色の違う石を組み合わせることで、色彩の美しさを演出しています。

     

    金色のモザイクはこの空間が神の家であることを訪問者に気づかせてくれます。

    マルセイユで必見の観光スポットです。

    Basilique Notre-Dame de la Garde 
    Rue Fort du Sanctuaire 
    13281 MARSEILLE Cedex 06 

    冬(10月から3月)7時から18時15分

    夏(4月から9月)7時から19時15分

     


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