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    パリでよく見かけるもの 噴水編


    2017-03-06

  • この噴水。パリでよく見かけます。

    一体何なのだろうと思っていた方も多いと思います。

     

    この4人で囲まれた女性の内部では、ちょろちょろと水が流れています。噴水?にしては非常に地味ですね。

     

    実はこれ、ワラスの噴水と呼ばれる公共の水飲み場です。ワラスという言葉は、この水飲み場の設置のためにお金を出した篤志家のリチャード・ワラス氏から来ています。

     

    時代は、19世紀後半。フランスは動乱の時代を迎えます。ナポレオン3世によって隣国プロイセンに対して宣言された普仏戦争にフランスは敗北。ナポレオン3世は捕虜になってしまいます。敗北を認めずに徹底抗戦をするパリジャン達が集まって、パリ・コミューンを形成しますが、そのせいでパリは内戦状態に。

    コミューンが終わった後は、パリの再建が始まりますが、それに多く貢献したのが篤志家のブルジョワたちでした。

    リチャード・ワラスもそのうちの一人です。1870年に両親から莫大な資産を相続すると、空爆によって負傷した人々を治療する病院を建てました。

    そして、パリ市に貢献する目的で、彼は水飲み場の提供を市に申し出ます。というのも、当時戦争、コミューンという内乱によってパリ市に水を提供している水道橋が多く破壊され、水の料金が飛躍的に高騰してしまったのです。

    まさに生きるための必需品である水を無料で提供するために作られたのが、このワラスの噴水です。

    この噴水をどこに設置するかは、パリ市が決定しました。しかし、それにかかる費用は全てワラスが出したので、いまでもパリジャンの間ではワラスの噴水と親しまれています。

    ぜひパリを散策する時にワラスの噴水を探してみてください。

    写真の噴水は、モンマルトルの洗濯船のアトリエがあった場所です。


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