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タボール公園は、フランスで最も美しい都市内公園の一つで、レンヌ市民の憩いの場所です。
この場所はレンヌ市を望む丘にあり、かつてはベネディクト修道院の敷地でした。公園の名前は、聖書にでてくる「タボール山」からとったといわれています。
タボール公園は、10ヘクタール以上あり、フランス式庭園とイギリス式庭園が混じっています。
散歩していると、木陰で静かに本を読んでいる人や、芝生で一休みしている人、子供を連れた家族など、たくさんの人に出会うことができます。
公園のいたるところは、彫刻で飾られています。作者は、地元出身のシャルル・ルノワールです。
この公園はもともと聖ムレーヌ修道院所有の土地でした。修道士たちは、この土地を果樹園として使っていました。
フランス革命以降、キリスト教所有の土地は没収され、1793年以降、レンヌ市がこの土地の所有になります。軍隊の要請もあり、まずは退役兵隊のための病院がこの敷地に作られることになります。
1830年代になると、「市民公園」という概念が社会に登場します。フランスが産業革命を経て、工業大国となった時代です。農村地から都市部へ労働者が流れて、工業都市では人口密度が急激に上昇します。労働者の生活環境の改善は急務でした。そこで、生活改善、都市の衛生化の一端として、市民公園という概念がうまれるのです。
市民公園の先駆は、すでに産業革命を始めていたイギリスでした。フランスでは、まずパリにフランス初の市民公園「司教の庭」がノートルダム大聖堂の東側(後ろ側)に作られ、ナポレオン3世の第二帝政時代に多くの市民公園がパリに作られました。
そのパリの市民公園の運動は、地方に飛び火し、リヨンのテットドール公園、レンヌのタボール公園などが作られることになりました。
歴史の産物である市民公園は、今でもレンヌの外せない散策ポイントです。
タボール公園は、レンヌ駅から徒歩20分ほど。
渦
レンヌ散策のすすめ タボール公園
2016-08-21
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