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今年で16回目になる、ルーアンで行われたグルメ祭りに行ってきました。
このグルメ祭り「フェット・ド・ヴォントル」は、文字通り訳すと、「お腹の祭り」。
まさに、ノルマンディー地方を代表するグルメの屋台がジャンヌダルク教会の周りにぎっしりと立ち並びます。雰囲気はまさに、日本の縁日!
さらなる特徴は、屋台の人々がノルマンディー地方の伝統的な衣装を着ていること。
ノルマンディー地方の食材だけでなく、伝統文化を紹介するお祭りになっています。
さて、どんな屋台があるかというと、ノルマンディーを代表するアルコール、シードルを作るための絞り機械の紹介と搾りたてのリンゴジュースを飲ませてくれる屋台。1杯0,5ユーロ。甘くておいしい!
こちらはケーキ屋さん。衣装は、かつての貴族の服装でしょうか。
海産物もノルマンディーの重要な名物の一つ。カキをその場で向いてくれます。さっとレモンを絞って、白ワインなんかと合わせれば、それは最高です。
こちらは、名物塩バターキャラメル。酪農が盛んなノルマンディーでは良質なバターが取れます。それに海でとれる塩を混ぜた塩バターを使ったキャラメル。売り文句は、「歯をぐらつけせないキャラメル」。その根拠は?
「私たちはノルマンディーの200人しかいない村から来たのよ。私たちの手作りのキャラメルをぜひ味わってみて!」
ノルマンディーチーズといえば、カマンベール。それ以外にも、ポンレベック、リヴァロ、ハート型のニューシャテルがあります。ハーブを絡めると、おつまみにいいんですよ!
それ以外にも、鳥の丸焼き、ガレットなどの屋台が立ち、おいしいにおいが漂います。
ルーアンの出身のフランス人も、「ルーアンを訪れるのには最良の日!」と断言することのお祭りは、10月の第3週の週末に行われます。
お祭りだけじゃ、もったいない。せっかくルーアンに来たのであれば、町の観光もお忘れずに。
というのも、ルーアンの町にはノルマンディー特有の木組みの家が多く残り、16世紀から続く街並みを保存しているからです。
第二次大戦中、連合国軍の上陸作戦によって多くの場所が被害を受けましたが、今でもいたるところに木組みの美しい家が残っています。
よく見るとすべて同じような構造になっていますね。
一階部分には、石を積みます。その上に木を組み合わせていって、骨組みを作ります。
そのあと、土とわらと牛の糞を混ぜたトルシといわれる材質で枠の中を埋めていきます。
最後に、さまざまな色で塗装をします。塗装することで、壁、木が湿気と水から守られるようになるのです。ノルマンディーは、雨が多い地域。雨対策が家づくりの基本になっています。
ちなみに、土台に石を積むのも、下にある湿気が木に伝わって腐らせるのを防ぐため。建材としての石は非常に高価なため、土台にしか使うことができませんでした。すべて石で作ってある家は、非常にお金持ちだ、ということがわかります。
古い家には、こんな彫刻を見つけることもできます。
ここは、もともと織物業者の家でした。あるとき、店の主人が染めた織物を馬の背中にたくさん積んで隣町に売りに行きました。ところが、森の中で強盗に襲われ、商品を奪われたあげく、けがをして森にたおれて動けなくなってしまいました。馬は、川をわたり、ルーアンまで戻ってきた。どうやら馬の様子がおかしいし、主人の姿が見えない。町の人が馬の後をついていくと、森にはけがをして動けなくなっていた主人が見つかり、馬のおかげで命拾いしたという話。その後、店の主人は命の恩人(恩馬?)である馬の姿とこのエピソードを店の正面に彫刻させたという話。
もちろん、クロード・モネの描いたカテドラルも必見。石のレースのようです。
モネの絵は、ルーアンの私立美術館にありますが、今は残念ながら修復中。しかし、多くの印象派コレクションを持っているのでぜひ訪れたい場所の一つ。
ルーアンの目玉の一つは、この大時計。かつては、ここに城壁があり、町に入り口となっていた場所です。時計版には、針が一本しかありません。その先には、ルーアンのシンボルである子羊がついています。
下枠は、ルネサンス様式の彫刻が。しかし、よく見ると、ひとりだけ堕天使が!
支払いが悪かった町に対して職人が腹を立てて、逆さに落ちる天使を描いたという話が残っています。
ほかにも、見るものがいっぱい。ルーアンに行くのであれば、10月の第三週の週末で!
渦
ルーアンのグルメ祭り、「フェット・ド・ヴォントル」
2015-10-19
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