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6月1日発の特バスツアー「ソムリエと行く、サンセールとプリー・フュメ」に行ってきました。
今回のソムリエさんは、パリにあるミシュランのスターレストラン、「KEI」で現役で働いている北山さんです。日曜日の朝早くからにもかかわらず、さすがサービス業、疲れを知らず、楽しくってためになるワインの話しで出発直後より盛り上がります。
「肉料理には、赤ワイン、魚料理には、白ワインって本当?肉料理に、白を合わせてもいいの?」
ソムリエ:しばしば、肉料理には、赤ワイン、魚料理には、白ワインといわれていますが、決まっているわけではありません。むしろ、料理の色に注目することが大切です。肉料理でも、豚や鳥のような白い肉には、白ワイン、魚でもサーモンなどの赤いみのものには、赤が合います。常識にとらわれないことが大切ですね。
「ワインのビンのそこには、何でへこみがあるの?」
ソムリエ:もともとワインのビンは、ガラス吹き職人が一つ一つ手作りしていました。ビンの形を作る過程で、ビン底にペンチをぐっと押し付けていたのです。その名残が機械による大量生産の時代のいまも、底のへこみとして残っています。しかし、このへこみのおかげで、ワインの中にたまった澱が注ぐときにそこにひっかかり、澱がグラスに入らない、という利点もあります。
「白ワインと、シャンパンってどう違うの?」
ソムリエ:基本的に同じです。シャンパンを造るときは、いったん白ワインを作ります。それから、ビンにつめ、さらに酵母と糖をいれて、ビンの中でさらに発酵させるのです。この発酵の際に出た二酸化炭素をビンの中に閉じ込めておくことで、スパークリングワインになります。シャンパンが高級なのは、この二次発酵の手間と、さらにそこから数年の熟成が必要だからです。ぶどうを搾ってから、製品になるまで早くとも2,3年、高級なものになれば、最低5年、10年熟成させなければいけないものもあります。シャンパンの値がはるのは、この熟成期間の手間と時間がかかるからです。
「スーパーで去年のボジョレヌーボーを見つけたけど、それってうれのこり?飲んだらおいしいの?」
それは売り残りですね(笑)。しかし、ボジョレヌーボーの売れ残りだからといって、まずくなったわけではありません。この銘柄は、早く飲んでも、熟成させても味が変わらないのが特徴です。ボジョレヌーボーは、先ほどのシャンパンと対極になる商品です。ぶどうを積んで、絞って、ワインになったその瞬間に、ボジョレヌーボーとして売り出し、お金に変えることができます。数年立たないと出荷できないシャンパンとは大違いです。そのいみで、ワイン醸造業者にとっては、非常に魅力的なビジネスモデルです。
どうですか、これらの質問、以外に深いですよね。
ワイン好きからワインをこれから楽しみたいという人まで、いろんな人から質問が飛び交います。
「どんなに簡単な質問でもいいですよ。むしろ、簡単な質問ほど、奥が深いのです!」とソムリエの北山さん。
そのなかでも一番北山さんを困らせた質問は、「いいワインとはなにか?」
今飲んだら、いい、ワイン。10年寝かせるといいワイン。前菜と一緒に軽くのめるいいワイン。脂ののったお肉とぜひ飲みたい、いいワイン。100通りのいいがある限り、100通りのいいワインがある、とワインとお料理の知識を絡めながら、参加者全員で、ガッテンの連続。
バスの中では、あっという間に2時間半が過ぎてしまいました。
「移動時間が2時間半と聞いたときには、そんなに話すことあるかな、とたくさん話すことを準備してきましたが、その3分の1も終わらぬうちにすぐに2時間30分がたってしまいました。」
さて、サンセールに到着です。ブドウ畑が見えてきました。
「ぶどうが育つところは、他の作物が育たないようなやせた土地なのです。日本でぶどうがよく育たないのは、日本の土地が肥沃すぎるから。やせた土地で、甘やかされないで育ったぶどうからこそ、おいしいワインができる!そんな一面ブドウ畑が見れるところに、たった2,3時間でいけてしまうって、なんて幸せなことなんだっておもいませんか。」
北山さんの話が面白いのは、ワインを愛しているからなんだ。
さあ、それでは、お待ちかね、試飲に入りますよ!
その2に続く
(渦)
特バスレポート「ソムリエと行くサンセールツアー」、その1
2014-06-02
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