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ついに、ついに!!
日本を代表する建築家、安藤忠雄さんが改修を手掛けた、パリの新しい現代美術館 ブルス・デ・コメルス が2021年5月22日にオープンしました!コロナ禍でオープン延期となっていましたが、ようやくの開館です。美術館として開館した建物は、ブルス・デ・コメルス という、旧商品取引所。この建築物は16世紀にカトリーヌ・ド・メディシス妃 (Catherine de Médicis フランス王アンリ2世の王妃) の邸宅として始まり、18世紀に丸天井を含む現在の円形型となり、以降穀物の取引き所として使われていました。天井のクーポラ(丸天井)はフランスの歴史的建造物にも登録されています。
20世紀にはパリ市の所有となっていましたが、2016年にフランスの実業家で世界有数の美術収集家として知られる フランソワ・ピノー François PINAULT 氏の個人コレクション美術館として生まれ変わることが発表されました。改修を手掛けたのは世界的建築家の安藤忠雄さんです。
美術館に一歩足を踏み入れると、自然光が差し込む巨大な吹き抜け円形ホールが広がり、上を見上げるとドーム型ガラス天井の美しいクーポラ。クーポラの周りには19世紀のフレスコ天井画がそのまま残り、安藤忠雄さんはその下に円形のコンクリートホールを設計したのだそうです。
中央の円形ホールを囲むように、各階に美術展示室が配置されています。バルコニーがオペラ座の個室のような、ヨーロッパの古い百貨店のような、いろいろ彷彿させるんだけど、でもそのどれでもない、美しい円弧。
どの展示室からも必ず、この直径30m、高さ9m の円柱型コンクリートホールが見えるようになっています。
私のお気に入りはこの2重らせん階段。2重らせん階段といえば、レオナルド・ダ・ヴィンチ設計のロワール シャンボール城が有名ですよね。
安藤忠雄さんが、ダ・ヴィンチをオマージュか?と思ったら、違いました。この階段は商品取引所時代の名残りで18世紀のものだそうです。当時穀物は地上階と屋根裏部屋にストックされていて、大量の穀物を抱えながら階段を登る人、降りる人がすれ違わないように設計されたとのこと。なるほどですね。
この18世紀の2重らせん階段へのオマージュと思われる安藤忠雄さんの設計意図、美術館内でしっかり感じられましたよ!安藤忠雄さんが設計したと思われる他の階段は、らせん階段ではないのに、登る人と降りる人がすれ違わないような見学ルートになっています。1階から2階へあがるとき、その逆も、また地上階から地下へおりるとき、その逆も、すれ違いません。うまく説明できません。これはぜひ現地で感じてください!
(たまに間違えて逆走する人もいますが、係員に別ルート誘導されます。)過去の建築も残しつつ、現在部分と融和をさせる、本当に素晴らしい設計です。
肝心の現代美術作品は・・・・・・素人にはチョットムズカシイ感じ。。
今回はなんといっても日本人の私にとっては安藤忠雄さんの手掛けた設計が楽しみで来館したので、次回はゆっくり芸術アートを堪能しようと思います。
南仏にある安藤忠雄さんレストラン『RESTAURANT TADAO ANDO』
ブルス・デ・コメルス
Bourse de Commerce - Pinault Collection
2 Rue de Viarmes 75001(城)
安藤忠雄さん改修 現代美術館 ブルス・デ・コメルス
2021-06-09
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