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先日、パリ市の中でも屈指のセレブ公園、8区のモンソー公園を散歩していたら、こんなものに出くわしました!
簡易的なテーブルが設置されていて、その奥には、移動トラックのようなものが。
トラックの前に広げられたテーブルの上では、様々なボードゲーム、カードゲームで遊ぶ子供、親子たち。
写真:貸出の前には、手を消毒!
トラックには、ルドテーク LUDOTHÈQUEと書いてあります。
LUDOというのは、遊び、ゲームという意味。
THEQUEというのは、場所、保管場所、という意味です。
BIBLIOは本なので、BIBLIOTHEQUEで、本が保管してある場所で、図書館
DISQUEはレコードなので、DISCOTHEQUEで、音楽がたくさん流れる場所で、ディスコ、まあ、今風にいうと(この言葉がすでに古い?)クラブです。
LUDOTHÈQUEは、ゲーム館、って感じでしょうか。
どうやら、パリ市が運営している、不定期でいろいろな場所で、ボードゲームを提供している施設のようです。
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ゲームの存在は、実はとても古いんです。
ルーブル美術館には、古代エジプトで遊ばれていたであろう、「すごろく」が展示してあります。
古代からあるゲーム
そして、すごろくは、エジプトだけではなく、世界中で同じようなゲームが存在するのですって。
写真:世界中の人々がゲームを楽しんでいる
スタート地点から、ゴール地点に、さまざまな試練を乗り越えながら到達する。
いわば、人生の予備練習。
はじめから、終わりへ。
生から死へ。
人生のイニシエーション(入門手ほどき)が、いわゆるすごろくで、それで遊ぶ私たちは、いつの間にか、人生の紆余曲折のなかを生きるすべを学んでいるのかもしれません。
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ゲームをする教育的観点も注目されているようです。
子供たちは、まずそのゲームがどのように動くのか、観察する。
そして、じっさいに部品にさわってみる。
ゲームをクリアーするために、力加減を学ぶ。
そう!力を入れれば、ゲームに勝てるというわけではありません。
ものによっては壊さないように、そっとさわることも必要でしょう。
写真:両手で持ったひもを操りながら、わっかを上まで持っていくゲーム。ひもにつながったわっかの中には、鉄の玉が入っている。赤い部分は穴があいているので、わっかが赤い部分の上を通ると、鉄の玉は穴に落ちてしまう。鉄の玉を落とさないようにうまく茶色の部分を通って上まで到達できるかを競うゲーム!
むしろ、いかに力を抜くかを学ぶことができるのが、ゲームの良さですよね。
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そして、ゲームは仲間を作る。
一緒に遊ぶことで、友人になる。
交友関係が広がる。
写真:フランスでも定番のUNO
ゲームの中では、仲間だったり、敵、ライバルだったり。
写真:サッカーゲームはフランスの子供たちにも人気
助けたり、出し抜いたり、驚かせたり、様々な技法を通して、人間関係を構築していく。
ルールが決まった「ゲーム」というフィールドの中で、ある役割を演じることによって、学ぶことできますね。
しかし、人間社会の仕事って、まさに、その場所に与えられた役割を演じること、じゃないかと思ってしまいました。
アルバイトをするときは、店員の役割を演じる。
学校で、生徒の役割を演じる。あるいは、先生の役割、事務員、校長先生の役割を演じる。
会社で、課長、部長、社長の役割を演じる。
子供の前では親を演じ、親の前では子供を演じる。
大きな(というか、真剣な?)ゲーム=現実の中でプレイヤーを演じるのが、人生そのものという気もします。
人生はゲームだ!
そうだとすれば、ボードゲームは、最高の人生、社会勉強になりますね。
久方ぶりにボードゲームでもやってみようかしら、と思わせる、ひとときでした!
渦
テレビゲームだけがゲームではない!モンソー公園のルドテーク
2021-05-10
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