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この絵画、どこかで見たことありませんか。
作者は、ひまわりで有名な、ヴィンセント・ファン・ゴッホ。
オランダ出身の画家ですが、弟のテオがパリで雇われ画商をやっていた縁もあって、19世紀の終わりにパリ、モンマルトルにきています。
当時のモンマルトルといえば、まさに美術史の中心となっている場所でもあり、
ロートレック、ゴーギャン、セザンヌ、スーラ、
などが活躍していた場所です。
さて、モンマルトルに着いたゴッホは、印象派を発見し、いろどりゆたかな色彩を学んでいきます。
かれは、思いがけず、当時の最先端のアートシーンに触れることができたのです。
それまでの、ゴッホの絵画を見えみると、力強さは感じる一方で、色彩にかんしてはモノトーンである印象を受けます。
パリに来る直前に描いたゴッホの傑作「ジャガイモを食べる人々」
これも、魅力の一つでありますが、私たちがゴッホで想像するような色鮮やかさは、まだありません。
彼の絵画は、印象派にふれて、色を学ぶ。ゴッホの色彩の研究が始まります。口で言うのは簡単ですが、ゴッホは命を削るようにして、色彩と格闘していきます。
さて、色彩と格闘するには、絵具が必要です。
それこそ、激しい性格のゴッホは、テューブ入り絵具をそのままキャンパスにだして、筆のかわりにテューブで絵具を塗っていたという話も残っているぐらいです。
そんな絵具使いが激しいゴッホは、毎日のように画材屋に行く必要がありました。
彼が毎日かよっていた画材屋こそ、人のいいタンギー爺さんといわる人物のやっている場所で、当時の貧乏画家が集まる場所だったのです。
とにかく、画材が買えない若い画家に、付けで絵具を販売したり、自分の描いた絵画とブツブツ交換をする。
物々交換をした筆頭に、あのセザンヌがいて、この小さな画材屋は、セザンヌの絵画であふれていたといいます。
さて、そのような背景で、ゴッホは、タンギー爺さんと仲良くなり、この肖像画を描くことになりました。
それが冒頭に紹介した絵画。
現在は、ロダン美術館所蔵です。
ジャガイモを食べる人々とくらべると、まったく違いますよね。
これくらいの衝撃を印象派は、ゴッホに与え、ゴッホは、苦しみながらも、自分の色彩を学んでいったのです。
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そのタンギー爺さんの画材屋は、現在はなくなってしまいましたが、ちゃんと記念パネルが残っています。
まずは、サンジョルジュの地下鉄へ。
歩いていると、タンギー爺さんのカフェなるものも!
現在は、コロナで閉鎖中。。。
そして、ここがそのパネルの場所。
クローゼル通り14番地。
ゴッホを始め、セザンヌやルノワールが来ていたと書いてあります。
モンマルトルの近くのなので、散策のついでにどうぞ!
渦
ゴッホ ≪タンギー爺さん≫のお店
2021-04-05
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