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前回に引き続き、グランパレ開催、トゥールーズ・ロートレック展を紹介します。
グランパレ開催、トゥールーズ・ロートレック展 前編 はこちら
こちらは、ロートレックが描いた、モンマルトルにあるダンスホールの一つ、ムーランドラギャレット。
ルノワールも同じ場所を描いていますが、その差に愕然とします。
[みゅう]パリ 美術コラム 『ムーラン・ド・ラ・ガレット』ピエール・オーギュスト・ルノワール
画面奥には、踊る人々。手前の女性たちはベンチのような場所で座っていますが、彼女たちは売春婦たちです。ダンスホールはただ踊って楽しみに行く場所ではなく、女性を買いに行く、つまり売春の場所でもあったのです。あくまで、人生の明るい部分だけを取り出し、太陽の光の下で陽気に描いたのがルノワールだとしたら、ロートレックはどぎつく、生々しい現実を描いた、ということもできるでしょう。
こちらは、娼婦が医療検査を受けている場面。娼婦をやるにも当時はライセンスが必要で、その資格の更新には、性病にかかってないか定期的に検査を受ける必要がありました。娼婦たちの屈辱的な日常、舞台裏がこのようにリアルに描かれています。
ところで、パリには、ロートレック・オペラ、というホテルがあります。ホテルの前に行くと、かつてロートレックがここに住んでいた、というパネルが貼ってあります。どういうことか、ホテルの人に聞いてみると、そこはもともと売春宿で、ロートレックはそこに半ば住むような頻度で滞在していたそうです。
娼婦たちと生活を共にしている彼だからこそ、そのような日常の一瞬をとらえることができたのでしょう。
左には、いじわるそうな売春宿のおかみさん。
性も奔放で、しまいには梅毒。アルコール中毒にもなっていて、体もボロボロだったロートレックは、37歳の若さでこの世を去りました。偶然にも、ゴッホもまた、おなじ若さでこの世を去っています。
モンマルトルの最も華やかな時代にどっぷりはまって、生きて、そして死んでしまった小さな巨人。ロートレックの魅力が詰まった特別展。おすすめです。
(渦)
パリ発
【プライベートツアー】 ムーランルージュ ディナーショー&ドリンクショー
グランパレ開催、トゥールーズ・ロートレック展 後編
2019-12-02
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