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先週紹介したジャックマール・アンドレ美術館。
とても面白い企画展をやっていることが多く、現在は、ハメルショイ特別展を開催しています。
ハメルショイ?
私も知らなかったのですが、展覧会にいってとっても好きになりました。
ハメルショイは、コペンハーゲンで19世紀後半から20世紀にかけて活躍したデンマーク人画家で、その絵画から、デンマークのフェルメールとたたえられているのだそうです。
デンマークでは、知らない人はいないほどの国民的画家なのだそうですが、フランスでは、オルセー美術館が彼の絵画を購入しているのにもかかわらず、まだ無名にとどまっています。
ジャックマール・アンドレ美術館は、そのようなまだフランス人になじみのない画家をとりあげて、啓蒙しようとしているのですね。すばらしい。
展示は、若き日のハメルショイの作品から、
右が若き日の自画像です。
人物画、
ハメルショイは、まずは肖像画家を目指したそうです。彼は、良く知っている人しか描かない画家だったらしく、描かれている人物はすべて家族、親戚、親しい友人などです。
風景画、
知らない人は描かない。よって、風景画には、人物が一切いない!
マルグリットのような、幻想的な風景画。浜辺がえがられており、左隅にちょこっとだけ、海が見えます。
丘の中央、ちょこっとしたところには、小さな風車がかかれています。
写真じゃみえにくいですね。。。
そして、室内の風俗画など、
さまざまなジャンルに挑戦した画家の軌跡を見ることができます。
ハメルショイの色調は、一見するとくらめ。常にグレーかかっているのですが、その一見暗いトーンの中に、あらゆる繊細な色彩のグラデーションが見て取れます。
トーンは暗めだけれども、色彩画家といっていいほどの繊細さをもっています。
これは、人物のいない、室内。右側に描かれているのは、絵を保護するガラス盤に反射した光ではありません。絵画の中に描かれた、窓から差し込む光です。
フランスの印象派は、光を表現しようとした画家たちですが、ハメルショイもまた、光を表現しようとした作家として、印象派といっていいかもしれません。
例えば、上の作品。机の上の光の照り返しは見事。フランスの印象派、カイユボットの床の修理人の絵画を思わせます。
何も語らないにもかかわらず、何か絵画のなかに引き込まれそうになります。
詩的な沈黙。
それぞれの絵が持つ、静謐感。確かに、フェルメールの描く絵画にとても良く似ています。
機会があるかた、ぜひ。
おすすめ展示会です。
渦
ハメルショイ展、デンマーク絵画の巨匠
3月14日から7月22日までジャックマール・アンドレ美術館で開催中
Musée Jacquemart-André ジャックマール・アンドレ美術館
158, Boulevard Haussmann
75008 Paris
開館時間 10時18時まで
ジャックマール・アンドレ美術館の企画展 ハメルショイ特別展
2019-07-15
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