フランス、石につまづいてひらめいた!郵便配達人が一人で造り上げた、シュヴァルの理想宮 みゅうパリ ブログ記事ページ

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    フランス、石につまづいてひらめいた!郵便配達人が一人で造り上げた、シュヴァルの理想宮


    2019-03-28

  • フランス南部、ドローム(Drôme)県にある「シュヴァルの理想宮(Palais idéal du facteur Cheval)」に行ってきました。

     

    1879年、フランス南部、ドローム県オートリーブで郵便配達夫だった フェルディナン・シュヴァル(Ferdinand Cheval)が、ソロバン玉が重なったような奇妙な形の石につまずいたことがはじまりです。

    その石から何らかのインスピレーションを得、配達の仕事が終わると石を拾い、自宅の庭先に積み上げる、という行為を続けました。1912年、33年の月日を経て宮殿が完成。村人達からは「変人」と白い眼で見られていましたが、徐々にマスコミに取り上げられるようになり、見物客が訪れるようになりました。

    シュヴァル自身、エジプトのファラオのように、この理想宮の下に埋葬されることを望んでいましたが、教会や村人たちの反対で断念。村営墓地に、理想宮に似た小規模な墓所を造り、そこに眠っています。

    シュヴァル没後、シュールレアリスムの詩人アンドレ・ブルトンが「宮殿」を称賛、詩を作成。 あのピカソもこの地を訪れ大絶賛し、シュヴァル(フランス語で「馬」)にちなんで馬をモチーフにした絵を描いています。

    理想宮は、現在、フランス政府により国の重要建造物に指定され、修復も行われています。

     

    シュヴァルの理想宮のメインキャラクター、「3人の巨人」。身体部分は小さな石が敷き詰められています。

     

    シュヴァルの手にかかると、ガーゴイルもこんなに親しみやすく可愛くなっています。パリのノートルダム寺院のガーゴイルの怖い顔とは大違いですね。。この階段から上に登ることができます。上の石には、「何も触らないのは禁止」と、普通の美術館などとは逆のことが書かれています。

     

    ヒンドゥー教寺院など、整然とした西側。行ったことも見たことのない建造物に思いを馳せ、想像力で造り上げたのですね。

     

    階段で上にあがると、いろんなモチーフも間近でじっくり見られます。一つ一つが違う歪みのある手作り感が、見るものを全く飽きさせません! 強く惹きつけられて目をそらすことができないような感覚に陥ります!

     

    原始時代彫刻の回廊には、いろいろな動物がいます。シュヴァルの興味深い言葉がいくつも書き連ねられていて、じーっと佇んでしまいます。

     

    フランスでは、2019年1月にシュヴァルの映画「L'incroyable histoire du facteur Cheval」も公開され、これから、ますます人気の観光地となっています!

    日本では、2019年12月に『シュヴァルの理想宮 ある郵便配達員の夢』というタイトルで公開になりましたね。

     

    シュヴァルは田舎の郵便配達夫であり、石工、建築の知識はありませんでした。 徒歩で配達をしながら、時折、配達物の中に見られる絵葉書から、外国に思いを馳せていたといいます。旅先から絵葉書を出すって、いいですよね 

     

    館内展示では、なんとレゴ(LEGO)でできたシュヴァルの理想宮 そして、著名人のコメントなども壁に書かれています。

     

    駐車場近くにあるシュヴァルの像。毎日、石を運んだ一輪車とともに。

     

    横幅は26メートルあります。行ったことのある友人から、「小さいよ〜」と聞いていたのですが、そう思って行ってみると大きいじゃない!とびっくり。。そして、どこを見ても興味深く、2時間過ごしましたが、まだまだ見足らないので、またぜひ訪れたいと思います

     

    Palais idéal du facteur Cheval シュヴァルの理想宮
    8 Rue du Palais, 26390 Hauterives
    2019年は、1月1日、1月7日〜20日、12月25日を除く毎日
    9時30分〜16時30分 (月により閉館時間が異なります)
    リヨンまたはグルノーブルから車で約1時間

    (桃)


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