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フランス国立図書館の3D地球儀・天球儀展では、フランス国立図書館が所有する6つの地球儀・天球儀を見学することができます。
その中には、フェルメールが描いた天文学者、地理学者のなかで描かれたのと同じ17世紀初頭にオランダで制作されたホンディウス作の天球儀、地球儀があります!
フェルメールが見たのと同じ天球儀を見ている!感動的な経験です。
こちらは、フェルメールの地理学者のタンスの後ろに乗っていた地球儀。
フランス国立図書館の地図部門は、11世紀から19世紀にいたる200点を超える地球儀、天球儀のコレクションを有しています。その中には、黄金時代のオランダで作成されたものも、フランスの啓蒙の世紀に作られたものなど、人類の科学的知識の進歩の重要な資料が含まれています。
ん、11世紀の地球儀?ヨーロッパ中世では、世界は平面と考えられていたのでは?と疑問に思った方がいらっしゃるかもしれません。
実は、古代ギリシャからすでに地球が球体であることが知られていました。自分たちが生きている球体が世界の中心にあり、その球体を天体が覆っていると考えられていたのです。球体の地球を覆っているのであれば、天体もまた球体であるに違いない、ということで天体も球体と考えらえたのです。それゆえ、地球儀が作られるときは、天球儀も常にぺアで作られるようになります。
地球儀が発展するのは、コロンブスの活躍する大航海時代です。遠洋航海によって地理上のさまざまな発見によって、地球儀に表現される情報はより精確になっていきます。神話、仮定、新発見などが混じり合いながら時代とともに変化する地球儀と天球儀は、まさに人類の知識の発達の証人となっています。
これらの地球儀、天球儀は貴重な資料なので、通常一般公開はされておらず、閲覧できるのはアポイントをとった専門家か、研究者のみ。そして、彼らでさえ触ることはできません。
そのような貴重な資料をいかに一般の閲覧希望者すべての手に届かせるか。そんな、願いが、大日本印刷社の技術によって可能になりました。
フランス国立図書館の所有する55個の地球儀・天球儀は、2次元の写真を3次元に組み合わせることによって、ヴァーチャルの世界で、自由に手に取って、拡大したり、回したりすることができるようになったのです。世界に誇れる日本の技術。誇らしいですね。
学芸員さんがタッチパネルで3Dのヴァーチャル天球儀を回しながら説明しています。
さらに、これらのデータは、フランス国立図書館のサイト、GALLICAにていつでも無料で閲覧可能になりました。閲覧したい地球儀・天球儀をクリックして、サイト左の3Dをクリックするとヴァーチャル閲覧が可能になります。
これにより、場所と時間を超えて研究者でも一般の方でも自由に詳細をじっくり観察できることになりました。国立図書館の学芸員がいうには、このような技術によりフランスに来なくても世界中で研究が可能になるため、さまざまな論文がどんどん出て、多くの新発見がされるのではないかとのこと。
こちらが、フェルメールの絵画に描かれているホンディウス作の天球儀。
フェルメールの天文学者と同じように、星と星の位置を確認してみてはいかがでしょうか。
(渦)
フランス国立図書館(Bibliothèque nationale de France)
フランソワ・ミッテラン館
Quai François-Mauriac
75706 パリ Cedex 13
フランス国立図書館 体感する3D地球儀・天球儀展
2016-09-19
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