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    フランスでよく見かける不思議なもの GUI(ギ)


    2015-01-19

  • フランスをバスで、あるいは電車で移動中によく見かけるものがあります。

    この木の中にある、丸いもの。なんだかわかりますか。

    鳥の巣?

    だとしたら、大きすぎるような気がしますね。

    普通の葉? だとしたら、なぜ他の葉はすべて落ちてしまっているのに、この葉だけは落ちていないのでしょうか。

     

    これは、日本語では、寄生木といわれるものです。さて、なんて読むかわかりますか。

    これは、「ヤドリギ」と読みます。「宿り木」とも書きます。

    名前の通り、寄生する植物で、他の樹木の枝の上に生育します。非常に不思議な植物です。

     

    この植物は、冬になると黄色い実をつけます。その実の中にある種はねばねばした粘液に囲まれています。その実を鳥が食べます。鳥の腸のなかでもねばねばは消えることなくのこっています。ねばねばの種は鳥の糞として木の上に落ちますが、長く粘液質の糸を引いて木に引っかかるようになっているのですね。粘液によって樹皮上に張り付くと、そこで発芽して樹皮に向けて根を下ろし、寄生がはじまります。

    宿主である木に葉が付いていたら隠れてわかりませんが、葉が落ちると、冬の間も葉がかれない宿り木は目立つようになるのですね。

    アルキンボルトの『四季』のうちの1つ、冬では、髪の毛が宿り木になっています。

     

    他の葉が落ちているにもかかわらず、宿り木の葉だけは落ちないで残っているので、ヨーロッパでは、長寿を象徴するものとしてクリスマスで飾ったりします。

    また、ヨーロッパにはこの宿り木の飾りの元でキスをするとそのカップルは結ばれるというほほえましい伝説もあります。

     

    フランスを旅行するときに、ぜひ気をつけてみてください。

     


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