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マドリッドの旧市街、「ハプスブルグ家のマドリッド 」と呼ばれる歴史地区のど真ん中にあって、いつも地元の人たちでにぎわっている盛り場と言えば、カバ・バハ(CavaBaja)。
マドリッド市民なら、この十字架とグラフィティ―を見ればすぐにわかる、プエルタ・セラダと呼ばれる広場から南に延びるのがカバ・バハ通り。
スペイン語のカバ(cava)という言葉には、解剖学の大静脈のことだったり、地下の酒蔵だったり、カタルーニャ産の発砲ワインだったりといろんな意味がありますが、「地下に掘られた穴」という意味もあるんです。
イスラム教徒が統治していた頃、未だ小さな要塞の町だったマドリッドに外部からアクセスする地下通路がこのあたりにあったことから、この界隈がカバ・バハと呼ばれるようになったとか。
16世紀半ば、フェリペ2世が首都をトレドからマドリッドに移し、王宮を中心にこの一帯がいわゆる「城下町」として発展して来ると、市民の台所であるサン・ミゲル市場やセバダ市場に近いこの一帯には、物流に携わる人たちに宿泊や飲食を提供する旅籠「Posada」が集まるようになったそうです。
この界隈で最も古い旅籠は1642年創業のポサダ・デ・ラ・ビジャ(Posada de la Villa)、現在もホテルやレストランがあって、繁盛しています。マドリッド市は、100年以上続く老舗に対して記念プレートを贈呈するのですが、この店の入り口の床にも1642という数字の入ったプレートがはめ込まれています。
19世紀開業の旅籠、ポサダ・デル・レオン・デ・オロ(Posada del Leon de Oro)やポサダ・デル・ドラゴン(Posada del Dragon)も、今も賑わっています。
この界隈が賑わうのは20h30過ぎ辺りからなので、私たちが散策した平日の19h00頃は開いているバルは少なかったのですが、そのひとつに入り、ウエボス・ロトス(フライドポテトの上に目玉焼きを載せて生ハムを散らしたもの)とベレンヘナ・コン・ミエル・デ・カニャ(茄子の素揚げに黒蜜を掛けたもの)をつまみに一杯いただきました。
カバ・バハ通りの両側に並ぶ居酒屋やバルを見ながら進むと、見晴らしの良い広場にでました。
目の前にはカラフルな屋根がかわいいセバダ市場。
そして、後ろを振り向くと・・・
サン・フランシスコ・エル・グランデ教会。
言い伝えによると、ここには1217年にアッシジのフランシスコが建てた礼拝堂と修道院があったとか。天井は高さ56メートルでドームの直径は33メートル。キリスト教会のドームとしては、バチカンのサン・ピエトロ大聖堂、ローマのパンテオンに次いで世界で3番目の大きさだそうです。
マドリッド旧市街の歴史散策をしながら、カバ・バハでちょっとタパスとワインを楽しむ、そんなゆったりした時間の使い方もいいですよね。
今度マドリッドにいらしたら、あなたも是非、どうぞ。
Lucymama
【マドリッド】土地っ子に人気の盛り場「カバ・バハ」
2022-02-22
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