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もとをたどれば社会主義時代に立てられたブダペスト都市交通計画から存在した地下鉄4号線プラン。
実際の建設は2006年1月23日に始まり、(途中でいろいろあって)8年かかっての完成となり、2014年3月28日(金)に公式オープンとなりました。
(3月30日までの3日間は試験運転期間として無料で一般公開)
下の画像は1977年のカード型カレンダーに印刷された計画図です。
黄色のラインは地下鉄1号線と郊外列車HEVで、青の実線が運営している地下鉄2号線と3号線の1部、青の点線は建築中を表します。
赤紫のラインが計画路線で、今回完成した4号線もここに含まれています。
=4号線の基本情報=
起点となる駅は、国鉄ターミナル駅のブダペスト東駅Budapest Keleti pu. とケレンフルド国鉄駅Kelenföld vasútállomás です。
今回完成した路線(第1工期)は全部で10駅からなります。
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Kelenföld vasútállomás ケレンフルド国鉄駅
Bikás park ビカーシュ公園
Újbuda-központ ウーイブダセンター
Móricz Zsigmond körtér モーリツ・ジグモンド広場
Szent Gellért tér 聖ゲッレールト広場
Fővám tér フーヴァーム広場
Kálvin tér カールヴィン広場
Rákóczi tér ラーコーツィ広場
II. János Pál pápa tér ヨハネ・パウロ二世広場
Keleti pályaudvar ブダペスト東駅
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走っている車両は2号線と同じ最新型で、自動運転システムにより運行されています。
既存地下鉄との乗換駅は、カールヴィン広場(3号線)とブダペスト東駅(2号線)です。
これまで同様にブダペスト交通共通乗車券(Vonaljegy)1枚で、乗換え含めて最大60分間利用できますので、例えば「4号線聖ゲッレールト駅乗車-カルヴィン広場で3号線に乗換え-デアーク広場で1号線に乗換え-オペラ着」、という2回乗換えも可能です。ただし乗換え以外の途中下車、逆方向への(同路線への)乗換えは出来ません。共通乗車券は1枚350フォリントです(2014年4月現在)。
地下鉄が完成したことにより、地上のバス、トラム(路面電車)の再編成も行われました。
フーヴァーム駅と聖ゲッレールト駅は2013年度A+Awards建築賞(米国)を受賞しました。
地下鉄4号線計画は3段階にわかれていて、第2、3段階の工事が進みますともっと長くなります。
第2工期には東駅から先が作られて「Bosnyák tér」まで4駅延長となり、第3工期にはケレンフルド国鉄駅から先が作られて「Gazdagrét」まで2駅延長となる予定です。
将来的には「Bosnyák tér」からさらに延びて「Rákospaklota」方面、第3工期で予定される「Gazdagrét」からさらに隣市のブダウルシ市方面、ウーイブダセンター駅(予定)から枝分かれして南伸してブダフォク地区まで、延長可能とされています。
以下、主な駅を画像で紹介します。
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国鉄ターミナルのブダペスト東駅
乗換駅のカールヴィン広場
中央市場最寄駅のフーヴァーム広場の出口とトラム2番線乗り場
(フーヴァームは税関本部という意味)
聖ゲッレールト広場駅(ゲッレールト温泉最寄駅)
ビカーシュ駅入口の外観
ケレンフルド国鉄駅(レールジェット等の国際列車も停まる駅)
ケレンフルド国鉄駅の案内図(地下鉄ホームは国鉄駅の真下にあり、乗換えに便利)
水平方向が地下鉄駅ホーム、上下方向が国鉄駅です。
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なおケレンフルド国鉄駅が地下鉄4号線と繋がったことにより、ブダペスト南駅廃止の計画が動きだす可能性があります。これまで南駅から発着していた列車、主にハンガリー西部(バラトン湖など)方面行きなどは、今後はこのケレンフルド国鉄駅発着に変更になり、南駅を廃止してその駅や関連する土地を再開発するという計画です。
いろいろ利権が絡みますが、現在のハンガリーは「圧倒的に強い与党」という政治情勢なので、この南駅廃止および再開発計画は、順調に進むかもしれません。
(Tk)
祝・ブダペストの地下鉄4号線開通!
2014-04-23
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