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ボンジョルノ!フィレンツェのガイドの伊藤裕紀子です。
今日は細密画について書きたいと思います。
細密画はミニチュアールとか、彩画とも呼ばれます。イタリア語ではミニアトゥーラですね。
古代・中世に手書きで複製された本や文章に収録された挿絵のことです。
活版の印刷技術が無かった中世では修道僧たちが手書きで写本し、そして挿絵も制作していました。
フィレンツェではサン・マルコ美術館2階の図書館に展示されている楽譜に書かれた細密画を鑑賞することができます。
「ドメニコ修道会の僧侶たちを守るマリア様」
このように聖書のエピソードや人物が描かれています。
じつはこのマリア様の図には「S」の文字が隠されています。
このページ最初の節の歌詞がSで始まるからなんですね。
このように絵の中に文字が織り込まれていたり、文字自体が装飾されていたりします。
こちらの写真だと楽譜だというのがわかっていただけると思います。
これが印刷ではなく、手書きなのですから大変な労力で制作されていたことがわかります。
当時の写本は大変に高価なものでした。
ところでウッフィツィ美術館には、下のような変わった絵画作品があります。
題名は「細密画本」で、16世紀の作品です。もとはメディチ家のランペッジの別荘に置かれていました。
まるで騙し絵のように細密画の本のページがペラペラと捲られている様子を表現しています。リアルな感じに描かれていますね。
とても珍しいテーマの絵画作品のテーマ、一体、どのような目的で描かれたのでしょう?
じつは本棚の扉の装飾として使用されていたそうです。
ヨーロッパの宮廷にはこのテーマの絵のレプリカが数多く存在するそうです。
15世紀中頃のイタリアではこの「細密画本」のテーマを嵌め木細工でつくって、戸棚の扉などに利用することも流行りました。
また家具に絵画作品(板絵)を使用する例は、長持ち(衣装や調度品を入れる蓋付きの長方形の大きな箱)にもよく見られます。
長持ちの絵画作品はフィレンツェでは特にバルジェッロ美術館に展示されていますよ。
【2021年・ブログ観光】フィレンツェ観光で見るべき細密画!サン・マルコ美術館とウッフィツィ美術館編
2021-03-01
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