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先日、クレモナのバイオリン美術館でストラディヴァリウスのミニコンサートのことを書きましたが、実は同じ日、バイオリン工房の見学も合わせて行ってきました。
世界的にバイオリンの町として知られるクレモナは人口7万2千人ほどの小さな町ではありますが、なんとバイオリン工房が141(うち93がイタリア人、71が外国人)と言う、まさにバイオリン激戦区。2012年にはクレモナの弦楽器製作はユネスコの無形文化遺産に登録されました。
今回お邪魔したのは、シメオーネ・モラッシさんと言う、何世代に渡ってのバイオリン職人のマエストロの工房。
場所は、クレモナのカテドラルから徒歩2分ほどのところです。
日本でも著名な方なのです。ちなみに、イタリア版渡部篤郎的な、なかなかのイケ面さんです。もともとは演奏家でもあったそうです。
お弟子さんが何人もいらっしゃる、工房的には大きなところ。ちなみに日本人のお弟子さんもいらっしゃいます。
マエストロ自身が丁寧に製作工程を説明してくれました。
結構ざばっざばっと彫っていくので、えっ?大丈夫なの?と素人の私はびっくりしましたが、そこは経験により培われた勘に寄る、大雑把に見えても緻密な作業なんだなと納得。
一台を最初から最後まで一人の職人が行います。
隣にはショップもあって、ショップにも日本人の店員さんが。
店員さんも元職人だそうで。(やめちゃってもったいない・・・)
ショップの上にはニス塗りの作業場が。
毎日一度塗り、乾かす、その作業がひと月ほど。そうして少しずつ、深みのある、あの美しい姿になっていきます。
このニスによっても音に違いが出てくるのだとか。
ここで、バイオリンって美しいなあ、とその美しさを実感。
マエストロの話では、やはりストラディヴァリウスやグアルネリなどのモデルにして作ることが多いんだそうです。
この、バイオリンが作られる行程を見学した後にバイオリン美術館でのストラディヴァリウスのミニコンサートを経験したので、それもあって、感動は格別でした。
補足ですが、弓はクレモナでは作られてないんだそうです。私は、弓も一緒にバイオリン工房で作られるものだと思っていたので、ちょっと驚きでした。弓は、フランスの方で作られたものが多いんだそうですよ。
クレモナのバイオリン工房見学
2018-01-24
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