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ゲンミ峠はヴァリス州とベルン州のベルナー・オーバーラント地方を結ぶ歴史的な峠で大人気のハイキングルートです。コナン・ドイルの小説の中でマイリンゲンを目指すシャーロック・ホームズがこの峠を越える話となっていますが、実はコナン・ドイルご自身も下見で歩いたという峠越えルートです。その他にもレニン、ピカソやフランスの名作家のアレクサンドル・デュマも通ったといいます。現在でも徒歩でしか越えることのできない峠であります。
一般的にLeukerbadの上に位置するGemmipassからスタートした方が滑らかな下りなので楽ですが、今回は逆方向で歩きました。
6月中旬から10月中旬まで歩けます。
まず目指すのはKandertsteg駅です。
電車を降りたら、Sunnbuelロープウェイに行きます。徒歩だと40分ですが、あまり面白い部分ではないので今回はバスに乗りました。10分くらいです。一時間に一本だけなので事前確認は必要です。
恒例のハイキングルートの黄色い標識。ここからだと目指すLeukerbadは6時半です(汗)。頑張らなきゃ、ですね。
Sunnbuelまでの2時間15分の登りは勘弁だ、という方には7分で上がることができるロープウェイがお勧めです。30分毎に出発しています。
Sunnbuelまでのハイキング道です。段々と狭くなってきますが、全体的に登りでも歩きやすいです。ただ、大した景色も見れないので飛ばしてもいいかもしれません。標高差は800メーターくらいです。
Sunnbuelの山岳レストランです。ロープウェイ乗り場と同じ建物です。
ハイキングの最初の部分は比較的に平たい道を歩きます。右も左も素晴らしい風景です。Gemmipassまで2時間半です。
Sunnbuelから出て30分、最初の登りです。次の経由のSchwarenbachまで40分の登りですが、それほどきついわけではありません。
前記している著名人も泊まったというSchwarenbachの山岳ホテルで休憩です。
更に40分登り歩くとDauben湖が現れます。Gemmipassはその奥にあります。
左の 湖畔をしばらく歩くと道が分かれます。左に行くとそのままGemmipassに着きます。湖畔の道だとDauben湖とGemmipassを結ぶケーブルカー乗り場に行きます。ちなみに湖の右側を歩いて、Gemmipassを目指すことも可能です。
ケーブルカー乗り場です。無人なので乗車券はGemmipassで乗車後に支払います。片道は6フランです。
キャビンは4名までです。ドアを開くには右に見えるボタンを押します。基本的に15分間隔で運行されますが、それより早く一杯になったら出発します。
ゲミ峠に到着。パノラマレストランでのランチはお勧めです。
麓のLeukerbadに降りるのに一番楽な方法はもちろんロープウェイです。
まだ頑張れるという方はLeukerbadまで歩いて降りることもできます。1時間半の絶景ルートですが、高所恐怖症の方にはお勧めできません。また、長い~急な下りなので確実に膝にきます。標高差900メーターを一気に下るので仕方はありません。
間違いなく一番印象に残る部分です。正に絶壁を歩き下るかのように。設備されているジグザグの小道ですが、常に注意しながら歩いてほしいところです。上に見える建物はGemmipassのレストランです。実は、この区間も含めてGemmipassには沢山の羊が飼われています。7月末のゲンミ峠の羊飼い祭りが有名です。また、毎年の9月中旬にある羊のデザルプ(牧下り)の時に700頭もの羊が同じ小道を使って下山します。今年は9月13日です。GemmipassとLeukerbadの間のハイキングコースは羊さん優先なので11時から14時までクローズです。詳しくこちらです。
そして、今日の最大のポイントです。一日の足の疲れを温泉水で取ることです。Leukerbadはローマ時代に源泉が発見されたアルプス最大級の温泉地で温泉がいくつも点在しています。スイスで最も熱い温泉(源泉は51度)だとされていますが、プールに使う水は冷やされているので30度から43度までです。一番、熱いお風呂はバス乗り場近くのLeukerbad Thermeです。今回訪れたWalliser Thermeは35度くらいでした。何といっても広い展望露天プールがポイントです。
迫り来る3000メートル級の山々に囲まれて、入浴できる温泉は格別です。夕暮れるとGemmipassからの下りルートがライトアップされます。遠くから眺めるとすごい下りだなぁと。
「スイス」名探偵シャーロック・ホームズが歩いたハイキングルートを追って
2020-09-12
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