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夏になるとキリッキリッに冷えた金色に輝くあのビールが飲みたくなる!
それは一つ日本の夏の風物詩のようにうつる。
その日本、いや世界中のほとんどの国でもっとも飲まれているビールは、一般に‘ラガービール’という分類に属する。
‘ラガービール’?と日本人に尋ねるとおそらく、なじみ深い‘キリンラガー’や‘サッポロラガー’を思い浮かべる人が多いはず。
しかしそもそも‘ラガービール’と何故よばれているのであろうか?
ここでビール大国、ドイツが登場!
‘ラガービール’の‘ラガー’とはドイツ語の単語‘Lagern’(貯蔵する)に由来している。
すなわち、昔、冷蔵施設がまだなかった時代、ドイツでは秋の終わり頃にビール樽を洞窟の中で氷とともに貯蔵し、翌年の春に取り出すという行程を経てこのビールはつくられていた。そこからこの名を冠するようになったと一般的にはいわれている。
またドイツでも「ラガービール」は南ドイツ、バイエルン地方に根付いたビールとある。
ここで納得、そして完結、、、、といってもよさそうだが、、北ドイツの人はおそらくだまっていないであろう。
北ドイツの大都市ハンブルクにもまた別の‘ラガービール’の逸話があるからだ!
13世紀はじめ頃、ハンブルクの馬具商の親方が店の小僧にビールを買いに行かせた。
小僧はビールを買って店に戻ろうとした時、一人の知り合いの老人に出会った。
この老人はいたずら好きだったので、まじめな表情で小僧にむかい、「お前の店のおやじは、お前が鞍をつくりそこねたと言って、カンカンに怒っている。お前が帰ったら思いきり殴られるだろう」といっておどかした。
小僧はおそろしくなって町から逃げ出し、ビールの瓶を路辺の木の根に埋めた。
彼はその後軍隊に入り5年程たって功績を立てて、高官に抜擢され、勲章までもらった。
彼はニシキを飾ってハンブルクに戻る途中、かつて地中に埋めたビールを掘り出し、馬具商といっしょに飲んでみると、思いがけない良い味だった。
馬具商はひそかに1000本ものビールを仕入れて地中に埋め、5年後に巨利を占めた。
ここから‘ラガービール’‘貯蔵ビール’という名がついたようだ。
はじめの説にくらべると少し説得力に乏しい感じもしないがおもしろい逸話話だ。
ビールひとつとっても北・南ドイツにはそれぞれ異なる話がでてくる。
ラガービール逸話
2013-08-26
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