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    ドイツ旅行が楽しくなる話 ~30年戦争~


    2013-02-27

  • 中世の戦争・30年戦争(Dreissigiaehringer Krieg)はドイツを旅行していて、よく聞く戦争の一つです。日本の時代で言えば、江戸時代。1618~1648年まで30年続いた戦争なので、30年戦争。名前は単純ですが、内容はちょっと複雑です。かなり大雑把にいってしまえば、カトリック教徒とプロテスタント教徒の争いから始まり、ヨーロッパ全体を巻き込んだ発の国際戦争と言えます。30年戦争は、4段階に分かれ、後になるほど凄惨さを増していきました。このため、この戦争でドイツの人口の3分の1を失ったといわれています。

    戦争の中で、活躍した伯爵ティリー将軍。彼は敬虔なカトリック教徒としてバイエルン公に仕え、東国のオスマン帝国と戦い、高く評価され、30年戦争でもカトリック連盟の総司令官として勤めました。バイエルンに大きく貢献した彼を現在では、ミュンヘン(バイエルンの州都)のオデオン広場に気高く、銅像として立っています。

    一方、ティリー将軍はローテンブルグにも登場します。30年戦争の時代、ローテンブルグはカトリックではなく、すでにプロテスタントの街。ここを訪れた将軍はローテンブルグにカトリック軍隊の宿営を求めました。しかし、街はこの要請を拒否。そのため、将軍は「街に火を放ち、略奪する」と脅しました。この脅しから街を救ったのがローテンブルグの市長です。将軍の「お前が大杯のワインを全部飲み干したら、住民を助けてやろう。」という要求に見事にこたえました。この逸話は、毎年5月に開催されるマイスタートゥルンクのお祭りで現在も息づいています。

    ミュンヘンでは、英雄として、そしてローテンブルグえは街を襲った悪者として扱われているティリー将軍。歴史は様々な角度から見てこそ、より面白さが増すのではないでしょうか。

    (アン)


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