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ポンパドゥール婦人といえば、フランスのブルボン王朝時代、太陽王ルイ14世の後を継いだルイ15世の寵妃として有名で、王妃であるマリーレグザンスカは知らなくても、ポンパドゥール夫人を知っているのではないでhそうか。日本では、パン屋さんの名前にもなっています。才色兼備でベルサイユ宮殿の中で絶大な権力を誇り、女性にしか興味がなかったルイ15世に代わって、政治においても影の実力者でした。
セーブル焼きの援助や、多くの芸術家とも交流し、優雅なロココ様式を発達させたりと、この時代に多大な影響を与えた人物です。ドイツとの有名な関わりは「3枚のペチコート作戦」です。プロイセン王国を大国に押し上げた有名なフリードリッヒ大王をオーストリアのマリアテレジア、そしてロシア帝国のエリザヴェータと組み、反プロセインを掲げた作戦です。その時代まで、フランス王家とオーストリア・ハプスブルグ家は犬猿の仲だっただけに、この和解は外交革命とも呼ばれました。残念ながら、この作戦は失敗に終わり、ポンパドゥール婦人はこのことがきっかけで、ベルサイユ宮殿での求心力を失いました。その後病がもとで43歳でなくなりました。
この絵はポンパドゥール婦人が絶頂期の時の肖像画であり、当時の最新のファッションに身をまとい、顔からはどことなく自身に満ち溢れた現代のキャリアウーマンのようです。今、この肖像がはミュンヘンの「アルテピナコテーク」で観賞することができます。画家はフランソワ・ブーシエ。
自分の絵がフランスではなく、憎き、プロイセン(現ドイツ)のミュンヘンに飾られているなんて、本人としては腸が煮えくり返っているかもしれませんね。
(アン)
ドイツで楽しむ名画
2013-02-14
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