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(※印のついた写真は記事とは関係ありませんが、今年7月に世界遺産に登録されたマドリッドの「光の景観」に含まれる多くのモニュメントの一部です)
※オベリスク、無名戦士に捧げるモニュメント
マドリッドもすっかり晩秋の気配が濃くなってきました。
去る9月27日に投稿した【スペイン郵便事情】に対して、その後、スペイン在住の何人かの方々からとても興味深いコメントを頂戴しました、ありがとうございます。中でも、ADT Postalesの手続きをよく利用されていて、どのようにしたら通関手数料や取り扱い手数料を最小限にできるかをご存知の方がおられ、その方(Iさん)からレクチャーを受けることができました。
レクチャーを受けた後、いかに自分が無知だったかを知って目から鱗だったのですが、私のような方が他にもいらっしゃるのではないかと思い、何かの役に立てばと考え、この【スペイン郵便事情-その2-】を投稿させていただきます。
※レティーロ公園にある「堕ちた天使」像
前回の投稿の結論は、「日本からスペインに届く郵便物は、その種類に関係なく、またその価値にも関係なく、7月1日以降、すべてが輸入手続きの対象となる」という回答をスペイン郵政からメールで受け取ったということでした。
ここではまず、Iさんからのレクチャーで確認できたことを1~5にまとめてみます。
1.2021年7月以降、郵便物は価値0ユーロから「輸入手続き」の対象となった、つまり日本からスペインへ送るすべての郵便物が通関対象になった。
2.スペイン郵便の「通関手続き」業務はADT Postales(以後、ADT)が委託されている。
3.日本から郵便物を送ると、例え手紙(書簡)であっても、「通関手続き」対象と分類され、ADTが介入し、空港税関で止め置かれ、通関手続きが必要となる。但し、ADTのスタッフが説明しているように、すべての郵便物がこの扱いになるのではなく、無作為に選ばれたものが対象となるので、IVAもADT取り扱い手数料も不要のまますんなり自宅まで運ばれてくる郵便物もあるのが現実。
4.日本からスペインへ郵便物を送る際に「書留Certificate」扱い(EMSなども含む)にすると、スペイン到着時にほぼ100%税関に留め置かれ、ADT 介入の対象となる。書留で留め置きなしのケースもあるが、その基準が曖昧。
5.空港税関で止め置かれ、ADTが介入する場合:
(1) 日本で送る側もスペインで受け取る側も税関に関する事前申告を一切行っていない場合:自動的にADTがすべての通関手続きを行うことになり、郵便物自体の価値にかかるIVAに加えて、通関手数料(Gastos por Genstion DUA/Declaración Unica de Aduanas:現時点で通常約5€+IVA、荷物によっては約20€+IVA)+ 取り扱い手数料(Gastos por Manupulacion:5€+IVA)を請求されることがある。
(2) 日本で送る側、およびスペインで受け取る側が、事前申告を行っておいた場合:税金(IVA)は支払うが、通関手数料や取り扱い手数料は発生しない*方法*がある。
※レティーロ公園にあるクリスタル宮殿
では、その*方法*を見てみましょう。以下の1)+2)のプロセスとなるようです。
2)に関しては分かりにくいかも知れないので、末尾にAnexとして①~⑤までADTのHPでのスクリーンショットットを入れたかたちで詳細説明が入れてあります。
今まで「めんどうくさそう」という理由で避けて来た「通関手続き」ですがが、手数料を避けるためには、しっかり向き合う覚悟が必要だとわかりました。
1)日本から郵便物を送る時にすべきこと:
郵便局にて税関告知書、CN22を付けて送る>書留扱いとなり>追跡番号(Numero de Envio)を入手する。
★税関告知書に関する日本郵政の説明はこちら:
https://www.post.japanpost.jp/int/use/writing/customs.html
CN22 300SDR(約45,400円) 未満の物品を同封の場合
CN23 300SDR(約45,400円)以上の物品を同封の場合
の2種類があるが、私たちに関係あるのはほとんどの場合がCN22かと思われる。
2)スペイン側ですべきこと:
2-1)郵便物の通関に介入するADTのHPに予め自分のアカウントを登録しておく。
登録画面はこちら:https://www.adtpostales.com/webauth/adtPostales/public/usuarioNuevo
2-2)ADTのHPにて【事前申告】をしておく[上記1)で入手したNumero de Envioが必須]。
Anex①~④の手順を踏んで、事前申告を行っておくと、郵便物がスペインに届いたらIVAの支払いまでADTに留め置いてもらえる。(原則到着後1週間まで)
2-3)郵便物がADTに届いたらHP上でIVAを支払う。
Anex⑤の手順を踏んで、HP上でIVAを支払うと、最寄りの郵便局まで届けてもらえるので、そこに引き取りに行く。この場合のADTの手数料は2021年末までは無料、2022年以月からは5€かかる模様(Correos de EspanaのHP情報によると)
★注意)Anex①~④の手順(事前申告)が間に合わず最寄りの局に届いてしまったら、前述5-1)同様にIVA+通関手数料+取り扱い手数料を支払って郵便物を受け取るしかない。
※レティーロ公園の池とアルフォンソ12世の騎馬像
少し長くなりますが、以下、Anexにて具体的続き方法をご覧いただけます。
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Anex:ADTPostalesのHP上での通関方法の手順
1. ADT Postalesにログイン (事前登録が必要)
登録画面: https://www.adtpostales.com/webauth/adtPostales/public/usuarioNuevo
2. iniciar tramitaccion のプルダウンから、quiero que correos tramite mi envio を選択
3.追跡番号(Numero de Envio)を入力し、persona fisica を選択 (追跡番号が入力できるのは日本側発送元での通関が済んだ後)
4. mis enviosに入力した追跡番号が追加される
事前に必要事項を入力する場合にクリックするとこの画面になる。ログインするとピンクで塗りつぶした部分は事前に入力されてくるので、実際には入力項目はそれほど多くないが、入力や書類の添付に慣れていないと時間がかかる場合もあるので、それが面倒なら通関手数料を支払って受け取る方が良い、という考え方もある。
5. HPの追跡ボタンから追跡番号をまめにチェックし、通関終了で支払い待ちになったら支払いのボタンが出るので、クレジットカードでIVAを支払う>自宅(最寄りの郵便局)まで届けてくれる.
IVAの支払いページはトップページの追跡番号から入れるが、Envios de bajo valorからも入れる。
上記行程5.の部分、IVA支払いの詳細手順は以下【1】~【4】の通り。
【1】 まずADTのトップページから追跡番号を入れて表示されるのが、この画面。
【2】pagar IVA mi envioをクリックするとこの画面が表示されるので、名前と追跡番号を入力。
【3】 名前と追跡番号を入れるとこの画面になり、支払うべきIVAがIMPORTEのところに表示されるので、TARJETAを選んでカード情報を入力する。
【4】カードにIVA支払い決済が完了するとと、この画面になる。
あとは待っていれば地元の郵便局まで荷物は届き、受け取り時の支払いは発生しない。
以上です。
★この方法を応用すれば、日本から送る「手紙(書簡)」をスペインで受け取る際、5€+IVAの取り扱い手数料を回避する可能性のひとつとして以下の方法が考えられるかと思われます。
CN22の「内容物の価値」をゼロにすることはできないので、例え手紙(書簡)であっても、最低限の価値、例えば1ユーロなど、を記入し、追跡番号(Numero de Envio)を入手して、Anex①~⑤の方法を使えば、21セントのIVAを支払うだけで、自宅まで配達してもらえる可能性があります(今年中は無料、来年からは5€かかるらしい)
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大変長くなってしまいましたが、ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
スペイン在住の方や日本から郵便物を送られる方にとって、何らかのお役に立てれば幸いです。
ただ、上記はあくまでもIさんおよびその周辺の方々の実体験と私どものリサーチから導いた私的な考察であり、公の機関からの正式情報ではありませんので、前述の通りでない場合もありますこと、ご承知おきください。
※中央郵便局と市庁舎が入っているビル、シベレス宮殿
Lucymama
【スペイン郵便事情~その2~】税関の『事前申告』で取り扱い手数料を節約?!
2021-11-01
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