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「ブイトラゴ・デル・ロソージャ」村は、マドリッドから国道1号線を75Km (車で約40分)ほど北上したところに位置します。
ロ-マ時代に建設されたと伝わる歴史地区は、アラブ時代の頑強な城壁で囲まれ、北側の三方はロソ-ジャ川に囲まれた中世の要塞都市を彷彿とさせるとても美しい村です。
(左) 歴史地区の入口「時計の塔」 (14世紀) (右) サンタ・マリア・デル・カスティ-ジョ教会 (14-15世紀、ゴシック様式)
城壁は、レコンキスタ(国土回復運動)の初期 11-12世紀に遡る。 入場料: 2ユーロで城壁の上を歩くことができます。(2021年) 側防塔には昔使われたの色々な武器が展示されています。
城壁の角を利用したブイトラゴの領主 サンティジャ-ナ侯爵城 (14-15世紀)
そして、城壁の外の新市街にある村役場には、1985年3月にオ-プンした「ピカソ美術館」があり、長年に亘りピカソの理髪師を務め、友人でもあったこの村出身のエウヘニオ・アリアス氏が寄贈した約70点に及ぶ作品が展示されている。
ピカソが彼に贈呈した版画やデッサン、陶器などの小品ですが、パリ、バルセロナ、マラガ等の大都会の美術館では味わえない作品を見ることができます。
ピカソ美術館があるブイトラゴ・デル・ロソ-ジャ村役場
村役場の地下が「ピカソ美術館」になっている。
(左) 闘牛の絵皿と闘牛をモチ-フにした理髪道具入れ。蓋には「私の友人アリアスへ」と書かれている。
二人はスペイン内戦時にフランスに逃れ、南フランスの古くから陶器で有名なヴァロリス(Vallauris)で知り合います。ピカソはこの地にアトリエを構え1948年から約7年間に亘って陶器だけだはなく絵画や彫刻等の制作に励みます。エウヘニオ氏は理髪師として働き、ピカソは彼の常連客となり、その後離れて暮らすようになってからも二人の友情は続きます。
Bacia de Barbero (髭剃り用洗面器:凹型の容器で、縁に半円形の切り欠きがあり、理髪師がひげを浸すために使うものです)裏面には「私の友人アリアスへ」と書かれている。
Retrato de Jacqueline (ジャクリーヌの肖像画) ピカソの二番目の妻。34歳で80歳のピカソと結婚し、ピカソが死去する91歳の11年間付き添い、ピカソが最も数多くのポートレ-トを描いた女性です。1954年にクロ-ド・ロワが執筆した「戦争と平和」の中表紙に、「私の友人アリアスへ、1963年10月6日」のメッセ-ジを付けて贈呈。
La Española o Retrato de la madre de Eugenio Arias スペイン女性又はエウヘニオ・アリアス氏の母親の肖像画
(左) Pajaro del progreso 進化する鳥 (砕いた鉄の廃材(スラグ)を使用したプレ-ト) (右) 奇妙な壺 1963年
(左) ヴァロリス(Vallauris)で開催された闘牛のポスタ- (右) ヴァロリス焼きマドゥ-ラ窯の展示会用ポスタ-
この他、ピカソの友人を想う人間味あふれる作品がまだまだ沢山あります。
ピカソ美術館: Museo de Picasso / Ayuntamiento de Buitrago de Lozoya Pl. de Picasso, 1, 28730 Buitrago del Lozoya, Madrid Tel: 918 680 056 営業時間: 火曜~金曜: 11:00 - 13:45 & 16:00 - 18:00 土曜:10:00 - 14:00 & 16:00 - 19:00 日曜・祭日: 10:00 - 14:00 閉館日: 月曜、1月1日 & 6日、12月24日、25日 & 31日、地方祭
入場料:無料
*館内はフラッシュなしで写真撮影が可能です。
マドリッド北部のプラサ・デ・カスティージャ・バス・タ-ミナルから郊外バス(191番)でも行くことができます。所要時間は約1時間45分。
Fario `
ブイトラゴ・デル・ロソ-ジャ村のピカソ美術館
2021-09-28
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