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昨日、プラド美術館に行ってきました。
5月9日に非常事態宣言が解除され、一部の地域を除いて、国内の移動制限や夜間外出禁止がなくなって、若者は街に繰り出し、多くの人が国内旅行に出かける中、未だ油断するには時期尚早ではないか、2週間後にまた感染者が増えるのではないかと危惧する意見もありました。
あれから3週間が過ぎた今、幸いにも感染者数、コロナ患者のICU病床に占める率、死者数などすべてが漸減曲線を描いているので、危惧した事態にはなっていないようです。ワクチン接種も、1回接種した人は人口の38%、2回接種して完了した人は人口の19.5%に達し、高齢者から始まった一般市民への接種も40代(40歳~49歳枠)に入りました。
コロナのデータが少しずつ良くなっているのに加えて、今はスペインが一番気持ちいい季節。スカッと晴れた青空、滴るような樹々の緑、暑くもなく寒くもない気候、人々が久々の解放感を楽しんでいるのを実感します。
プラド美術館を訪れる観光客も随分増えているし、地元の人たちもプラド美術館周辺でのんびり日光浴していたり、コロナ禍前を思わせる景色に思わず、ほっこりしました。
プラド美術館が面しているのがプラド遊歩道、マドリッド市内中心地を南北に走る大動脈で両方向に4車線、その間が広ーい緑地帯になっていて背の高いプラタナスの樹がたくさん植えられているので、まるで林の中にいるようです。木漏れ日の中、そこかしこに彫刻が施された噴水が造られていて、この季節の散歩には絶好の場所。
プラド美術館の北側に建っているのが、リッツホテル。3年間のリフォームの後、この4月にマンダリン・オリエンタル・リッツとしてリニューアルオープンしたばかり。
リッツの先、右手にあるのがマドリッドのために命を落とした無名戦士に捧げるオベリスク。
1808年5月2日、マドリッドに侵攻したナポレオンのフランス軍に対してマドリッドの民衆が立ち上がり、多くの人が命を落とした日。ゴヤの名作「1808年5月2日」にその光景が描かれています。
みゅうオンラインツアーでは画家シリーズ第一弾として、スペインを代表するゴヤに焦点を当てたライブ配信ツアーを行っています。
詳細はこちらをご覧ください。
プラド美術館が面しているのがカノバス・デ・カスティージョという広場。真ん中にネプチューンの彫刻を頂いた噴水があることから、ネプチューン広場とも呼ばれています。
この広場から西に延びる道路がサン・ヘロニモ通り。
写真の奥に見えるのがネプチューン広場。
写真左側にあるのが、国会議事堂(スペイン下院議会)、現在、6月末まで通常国会の会期中。
この場所は、様々な法案に反対するデモなどの終点になることが多く、よくニュースに登場します。
正面入り口の前で議事堂を守っているのはブロンズで造られた2頭のライオン。前述5月2日のフランス軍に対する民衆蜂起の際の英雄2人の名前を取って、ダオイスとベラルデという愛称で呼ばれているのだとか。
サン・ヘロニモ通りを隔てた議事堂の反対側に建っているのが、この方。「ドン・キホーテ」の作者、ミゲル・デ・セルバンテス・サアベドラ。
ネプチューン広場に戻り、プラド遊歩道を南に下ると、真ん中に噴水のある大きな広場、皇帝カルロス5世広場。
噴水の左手奥に建つのが農業水産省の建物、ファサードの上の彫刻が美しい。
その反対側には、マドリッドから各地へ向かう高速鉄道の始発駅となっている、アトーチャ駅。
19世紀に鉄とガラスで造られた巨大なファサードがこの駅のシンボル、内部のひろい空間は植物園になっています。
6月上旬のスペイン、特にマドリッドは、一年で一番気持ちの好い季節。
夜は10時近くまで明るくて、みんながテラスに座ってのんびり、あるいはワイワイ過ごし、夏休みも近づいて来る。そしてなにより、青空と緑が気持ちを明るくしてくれる!
状況が改善し、こんな初夏のスペインを体験していただける日が一日も早く来ますように!
Lucymama
【マドリッド】一年で一番快適な季節、プラド遊歩道を歩いてみた!
2021-06-04
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