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昨年の今頃、スペインはロックダウンの真っ最中、夏になったらトンネルの出口が見えると信じて頑張っていましたね。そして、ワクチンが一刻も早く打てることをみんなが願っていました。
夏の終わりに第2波が来て、クリスマスが終わると第3波が来て、そして今、第4波の真っ只中。
歴史上見たことがない速さでワクチンが開発され、EUではファイザー、モデルナ、アストラゼネカの3種類のワクチンの接種が昨年12月末から開始、その後、ジャンセンも加わり、現在は4種類のワクチン接種が行われています。
スペイン中央政府は優先的に接種すべきグループを以下の9つに分け、昨年12月27日から接種開始。
(出典:https://www.mscbs.gob.es/profesionales/saludPublica/prevPromocion/vacunaciones/covid19/docs/COVID-19_Actualizacion6_EstrategiaVacunacion.pdf)
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1. 高齢者施設の入所者およびスタッフ
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2. 医療現場第一線で働く人々
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3. それ以外の医療関連者
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4. 重度の要介護者
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5. 高齢により感染リスクの高い者(高齢者施設に入所していない者)
5A:80歳以上(1941年以前生まれ)
5B:70-79歳(1942-1951年生まれ)
5C:60-69歳(1952-1961年生まれ)-
6. エセンシャルサービスに従事する者
6A:軍隊、警察、消防、救命救急隊など
6B:幼児教育および特殊教育従事者
6C:小学校、中学校などの教育従事者
7.60歳未満でハイリスクの疾患を持つ者
8.56-59歳の者(1962-1965年生まれ)
9.45-55歳の者(1966-1976年生まれ)アストラゼネカのワクチンに関しては、接種開始当初スペイン政府は「臨床結果の少ない65歳以上には接種しない」という方針で進めてきましたが、その後、副作用として血栓症の症例が報告されて一時接種が中断された後、EMA(欧州医療局)の見解に沿う形で、「60歳未満には使用しない。60歳~69歳の年代にのみ使用する」と方針を改めました。
このようなグループ分けと優先順位は中央政府が枠組みを決めますが、EU>中央政府>17ある自治州政府という流れで4種類のワクチンを受け取った各自治州政府は、「どこで、どのように、だれに対して、どのワクチンを打つか」という具体的接種計画を策定し、実行しています。
マドリッド自治州の場合、4月26日時点で、前述の1-6のグループの接種が進行しています。4月に入り、4種類のワクチンの大量入荷が確保され、ワクチン接種が進んでいることを実感していますが、特に高齢の一般人、グループ5に関しては、以下のように凄い勢いで進んでいます。
75-79歳:固定電話または携帯電話に電話で通知、自宅最寄りの医療センター(ホームドクターがいるところ)ファイザーまたはモデルナを接種。
70-74歳:携帯電話にSMSで通知、州内にある23の総合病院で実施。ファイザーまたはモデルナを接種。
60-65歳:携帯電話にSMSで通知、3カ所の大型施設(接種専用病院Hospital Isabel Zencal、サッカー場 Wanda Metropolitano、スポーツ施設 Wizink Center)にて実施。アストラゼネカを接種。
66-69歳:60-65歳が終わり次第、同じ方法と内容で接種予定。
50-59歳:上記が終わり次第、ファイザーやモデルナでの接種予定。
私は60-65歳の枠に属しており、実は「4月7日に接種せよ」という通知がその数日前に届きました。
アストラゼネカの血栓症リスクがメディアで大々的に取りざたされている真っ最中、『承諾』『拒否』『延期』の3択から『延期』を選び、他のワクチンに変わる可能性に望みをかけて待ったのですが・・・・
どうも、この年齢枠はどこまでいってもアストラゼネカしか打ってもらえないことが分かってきたので、腹をくくって、昨日、WiZink Centerに接種を受けに行ってきました。
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携帯に届いたSMSに対して『承諾』を選択すると、このようなQRコードが送られてきます。
WiZink Centerはこの広場に面して建つスポーツやエンタテインメントなど様々なイベントが開催される場所。
正面入り口に「マドリッド自治州ワクチン接種は57番入り口へ」の案内。
57番入り口へ続く通路、私が行った時は空いていて、ほとんど列はなし。
ここから入ると、受付があり、身分証明書とQRコードを提示し、『番号札』を受け取る。
床に記された矢印に従って移動し、階段を上ってひとつ上の階にある接種会場へ。
パネルに現在、施設内にいる人の番号が表示されている。
上の階(日本でいう2階)の接種会場につくと別のパネルがあり、番号と接種を受けるブース番号が表示されている。
接種会場は広ーいスペースにいくつもの接種ブースがあり、指定されたブースに行くと、QRコードと番号札を提示し、自分の身分証明書の番号を口頭で伝え、体温を測り、着席して左腕をまくると、すかさずブスッと来て、あっというまに接種終了!
即、接種証明書を渡され、下(日本でいう1階)の「待機所」でしばらく体調を観察するよう指示される。
順路は床に貼られた矢印に従い、階段部分にはこういう指示版(ワクチン接種終わった方は、下の階の待機所へどうぞ!)がある。
待機所。ここで最低でも15分待機して、体調に異常がないかを観察してから、退出するよう指示される。ここには専門の医師がいるので、何か異変があれば、すぐに対応してもらえる。
私の場合、ここで待機していると、首から後頭部が熱い感じがあったので、医師に相談したところ、近くに設置されている医務室に連れていかれ、バイタル(血圧、脈拍数、血中酸素濃度)を測定してもらい、特に大きな問題はないとのことで、そこで15分くらい休んで、退出しました。
アナフィラキシー反応なども含め、何らかの異常があった場合に備えてSUMMAと呼ばれる救急隊が待機しているし、私の場合も医務室ですぐに対応してもらえたし、現場の様子を見て、安心感を得ることができました。
また、広い施設を入ってから出るまで、一方通行にして、テープなどで仕切り、床の矢印で誘導、スタッフは最小限でしたが、効率的にオーガナイズされていて、非常にスムーズに行われているのに感心しました。
いつ、どこで、どのワクチンを打つか、を自分で選ぶことができない不自由は感じますが、こうしてワクチン接種が進むことで、少しでも早く、自由な移動ができる日が来ることを願って止みません。
Lucymama
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【マドリッド】新型コロナのワクチン、打ってきました
2021-04-30
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