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    ピレネー、オルデサ国立公園


    2016-07-31

  • 2年前にカタルーニャピレネーとフランスピレネーを回り、すっかりピレネーのファンになった私たち、今年はアラゴンピレネーを尋ねることにしました。

     

    マドリッドから北西に480㎞、ウエスカからサビニャニゴを経由して、オルデサ国立公園の麓の村、トルラへ。

    トルラの村と氷河谷の岩山が見えてくると、一挙にテンションがあがります!

     

     

    到着したのが19h00過ぎ、氷河が削り取ってできた谷は翳り始め、そそり立つ岩山は夕日を受けて輝いていました。村を通り抜け、さらに1キロほど山に向かって道路を進むと私たちの宿泊ホテル(Silken Ordesa)。

     

    まだまだ明るいので、オルデサ国立公園の入り口までの道を歩いて散策。

    アラ川(Rio Ara)の清流

     

     

    さらに翳りを深める氷河谷

     

     

     

    この先を右へ行くとオルデサ国立公園入口、左へ行くとブハルエロ(Bujaruelo)

     

     

    公園入口

     

     

    20h30過ぎになったので、ここ、公園入口で引き返し、ホテルに戻ります。

     

     

    振り向くと岩山は未だ夕日で光っていました。

     

    いよいよ明日はオルデサの山々を制覇するぞー!

     

    夏のハイシーズン中、国立公園内への一般車乗り入れは禁止。その代わり、トルラの村の公園訪問者センター(Centro de Visitante)前から、公園内のトレッキング出発基地であるプラデラ・デ・オルデサ(Pradera de Ordesa)までシャトルバスが運行されています。

    上の地図はちょっと小さくて分かりにくいですが、URLはこちら。

    https://www.google.com/maps/d/edit?mid=1lihmwyOJbvWPX_GgDlzqRa8F4Xw

    地図上の一番南にある黄色い点が公園訪問者センター、ここからからシャトルバスに乗り、プラデラ・デ・オルデサで下車、このトレッキング基地を出発してアラ川沿いに東に進むコースが最も一般的。ソアソ圏谷(Circo de Soaso)まで往復するとペースにもよりますが5時間くらい、さらにその奥のコラ・デ・カバーリョ(Cola de Caballo)の滝まで往復すると7~8時間はかかるとのこと。

     

    という話をしたら、な、なんと、同行他3名が全員「えーっ、そんなに歩きたくない」っていうじゃありませんか。そこで、楽していいとこ取りのずるい方法を選んじゃいました。

     

    ジャーン! 4x4 タクシーの乗り合いツアーです。

     

    8人乗りで、私たち4名とアイルランドから来た親子連れ4名が同乗、ガイディングをしてくれるドライバはホルヘさん。10h00ホテル発、4時間で国立公園の展望ポイントを巡りながらガイディングもしてくれるっていう楽ちんで充実したツアー。料金もめちゃ良心的。

     

    まず、一番目の展望ポイント、ミラドール・デ・クルセタ(Mirador de Cruceta)、地図上で一番西の赤いポイント。

    下がトルラの村、その奥がブロト(Broto)の町。人口より牛の数が何倍も多いこの地域、産業は観光業と移動放牧業だそうです。私たちのツアー中も、山から山へ牧草を求めて移動する牛の群れとすれ違いました。牧童さん(?)が若い女の子だったりして、ちょっと驚き。

     

    高度が上がるに従って、だんだんと草の丈が短くなってきます。

     

    さらに登って、2番目の展望ポイント、ミラドール・デ・モラール(Mirador de Molar)、ここは氷河谷の南壁の上の一番西の展望ポイントになります。

    氷河谷の奥を望む。奥にちょこっとモンテ・ペルディード(Monte Perdido)が見えます。

     

    目の前は氷河谷の北壁、ここから直線距離にしたらほんの3,4キロのところがフランスピレネーのガヴァルニー大圏谷。人間は車でほぼ一日かけて山々を迂回してたどり着くガヴァルニーですが、移動放牧の牛たちは山々を超えてやすやすとたどり着いてしまうそうです。

     

     

    反対側、ブハルエロ方面を望む。

     

    そして、足元に視線を戻せば・・・あっちにもこっちにも、可憐な高山の花々が・・・・

     

    灌木も高木も全くない岩山によくもまあ、こんな繊細な花たちが咲いてくれたものです。

     

    19.

     

    天気予報では今日は雨で雷もあるよと言っていた通り、風が強くなり、小雨が降りだしました。大降りにならないうちに最も難所の展望ポイントへ行こうと、ルートを少し変更。

    岩山の山肌を20分ほど走った後、車を降りて20分ほどお花畑の斜面を登ります。

     

    そしてたどり着いたのが、ミラドール・デ・シラシルス(Mirador de Cirracils)、南壁一番奥にある展望ポイントで、地図上で一番東の赤いポイント。

     

     

    東を見ると、ソアソ圏谷とその奥に三高峰。左からシリンドロ岳(3325m)ペルディド山(3355m)アニスコラ岳(3257m)。

     

    西を見ると氷河が創った深い谷と底を流れるアラ川。

     

     

    足元を見ると、この厳しい環境で考えられないくらい繊細で可憐な花々・・・

     

     再び、お花畑の中を歩いて車まで戻ります。

     

     

    最後の展望ポイントへ向かう途中、「オルデサのペンギンたち」と呼ばれる場所を通りました。かわいい花々の中にペンギンがいっぱいいるように見えますよね。

     

    そして、最後の展望ポイント、ミラドール・デ・エラドゥーラ(Mirador Herradura)地図上で東から2番目の赤いポイント、に到着。ここは唯一バルコニーが設置されている展望台で、その形が馬の蹄鉄(Herradura)の形をしていることから、この名が付いたとのこと。

     

    展望台から1000メートルの絶壁の下をのぞくと、真下にトレッキング基地のあるプラデラ・デ・オルデサが見えます。

     

    28.

     雨が止んで少し視界がよくなりました。写真中央の松の木のあたりに、崖の中腹の険しい道をたどる登山者たちが。

     

     

    こんな厳しい環境の中に咲く花たち、心が洗われるようです。

     

     

     

    エーデルワイスもいっぱい咲いてました。

     

     

    4つの展望ポイントを制覇し、雨脚が強まる中、山を下ります。

     

    オルデサに着いた時から気になっていた黄色い山肌、ガイドドライバのホルヘさんに聞いたところ、エリソン(erizon;スペイン語で大きなウニという意味)というマメ科の植物で、7月だけ黄色い花を咲かせるのだそうで、花で埋まった黄色の山肌を見れた私たちはとてもラッキーなのだそうです!

     

     

     

    学名はEchinospartum barnadesiiというこの植物、養分のない岩肌に貼り付いて、空気中の窒素を地中に取り込み、土壌を肥やしてくれるのだそうで、このエリソンがまず生え、その後に様々な草が生えてくるのだとか。

     

    エリソンの説明を聞いている内に、トルらの村に到着。

     

    満足度最高の4時間でした。ホルヘさん、ありがとうございました!

     

     

    長くなってしまったので、今日はここまで。

    トルラの村の様子、アラゴン地方の古都アインサ、国境を越えて行ったプチ・トレン・アルトゥーストなどはまた別の機会に。

     

    Lucymama

     


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