スペイン豆知識その3  病気や怪我のときどうしたらいいの? みゅうマドリッド みゅうバルセロナ ブログ記事ページ

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    スペイン豆知識その3  病気や怪我のときどうしたらいいの?


    2015-11-28

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    もうすぐ12月、Veranillo de San Martin(ベラニーリョ・デ・サン・マルティン)と呼ばれた、夏の延長のような秋が終わり、マドリッドにもようやく冬が訪れようとしています。今日は、久しぶりに「スペイン豆知識」の第三弾として、スペインで病気になったりけがをしたときに役立つことを少しお話してみたいと思います。合わせて、Veranillo de San Martinの頃にあちこちで捕らえた画像をお楽しみください。

     

    スペインの医療水準

    旅先でけがや病気のため医者にかからねばならないときにまず思うのは「ここの医者や病院で大丈夫なのかな・・・・」ということですが、スペインの医療レベルに関しては大丈夫、安心して頂けます。 在スペイン日本大使館の公式サイトにも「当地の医療水準、設備は他の西欧先進諸国と同水準にあります。一般的な内科疾病、外科疾病、出産等は当地医療施設にて治療、処置が可能です。」と記載されています。

     

     

    また、日本ではあまり知られていないようですが、スペインは臓器移植で常に世界のトップにある国です。全国を網羅する臓器移植コーディネータのネットワークを持つこの国は、素早い機動力と高い医療レベルで毎年、世界最多数の臓器移植を実施しており、脳外科、心臓循環器科、眼科などでは他国の医師が研修に来るケースもあります。ちょっと古い話ですが、ペドロ・アルモドバル監督の映画、「オール・アバウト・マイ・マザー」のママはまさにこの移植コーディネータでした。

     

     

    海外旅行保険

    海外旅行保険に加入されずに旅行されている方もおられるようですが、旅先でけがや病気になると、医療費や薬代はもちろんのこと、治療や休養のために旅程変更を余儀なくされて発生するホテル代や電車・航空券代なども合わせるとかなりな額の出費になることがありますので、保険には極力加入されて渡航されることをお勧めします。

     

    さて、スペイン滞在中に医者にかかる必要が生じた場合、まずは加入されている保険会社の「サポートデスク」に電話することがとても重要です。(ほとんどの保険会社が24時間対応のサポートデスクを提供しているので、サポートデスクの電話番号を確認しておくことをお勧めします)

    大抵の保険会社がキャッシュレスで受診できる病院やクリニックに予約を取ってくれるはずです。急を要する場合は私立総合病院の救急外来に連絡を取り支払い保証をし、ご本人がすぐに受診できるよう手配をしてくれたり、状況によっては、往診の手配をしてくれる場合もあります。

     

     

    キャッシュレス提携病院や往診医などが無い場合は、現場で一旦、自分で医療費を支払った後、日本帰国後に請求する形をとる場合もありますが、いずれにしても自分で病院や往診医を選ぶのは難しいので保険会社から手配をしてもらった方が良いでしょう。

     

     

    キャッシュレスで受診した場合、医療費の支払いは不要ですが、医師が処方してくれた薬を薬局で購入する際は、その費用は現場で支払う必要があります。領収書を取っておいて、日本帰国後に保険会社に請求するパターンが多いですが、サポートセンターにこの点を確認しておくことをお勧めします。

     

     

    保険のタイプにもよりますが、大抵の海外旅行保険では医療通訳が必要な場合はその手配費用をカバーしているケースが多いので、言葉の不安がある場合はサポートセンターに通訳手配が可能かどうかも確認し、可能なら要請することをお勧めします。

     

     

     

     

     

    緊急事態は112番へ通報

    交通事故、心筋梗塞、脳梗塞、脳出血など真に緊急を要する場合は、112番に電話します。

    2008年以降、EU(欧州連合)加盟する全ての国において、あらゆる緊急事態にはこの番号112にダイヤルする形に統一されています。

     

    この番号に架けると、警察、消防署、人命救助、救急医療など全ての緊急事態をカバーするコーディネーションセンターに繋がります。電話に出たコーディネータに事情を説明すると、各事態に必要な部署(警察、消防、救急医療など)の担当者に繋がれ該当部署で対処してくれます。

     

    大けがや急病の場合、救急車やヘリコプターなどの出動、あるいは緊急医療チーム(医師を含む)を自宅へ派遣、または電話口で直接医師が指示を出すなど、ケースごとに対応してくれます。また、救急車に医師が同乗し、車内で医療行為を行うタイプの救急車も多くあります。救急搬送先は通常は公共医療ネットワークに属する総合病院の緊急外来URGENCIAとなります。

     

     

     

     

    スペインの公共医療

    旅行者の方には直接関係はないかも知れませんが、スペインの公共医療について知っておくと役立つことがあるかと思います。 

    社会保険:スペインのSeguridad Socialと呼ばれる社会保険は医療保険、失業保険、各種年金を包括した皆保険です。居住許可証を所持して合法的にスペインで暮らす外国人も同保険の加入を義務付けられます。

     

     

    医療カード:社会保険に加入すると、自動的にTarjeta Sanitariaと呼ばれる医療カードが発行され、公共医療ネットワークに属する全ての医療機関でサービスを受ける場合はこのカードが必要となります。社会保険の管理運営はスペイン中央政府の管轄ですが、公共医療サービスの管理運営は各自治州政府の管轄となります。

     

     

    医療費:医療カード所持者に対しては、公共医療ネットワークに属する医療機関内で行われる医療サービス(手術、出産、入院なども含む)とそのために施設内で投与される薬剤費などに関して基本は本人負担ゼロです。旅行者など医療カードを持たない人には治療後に医療費(全額負担)が請求されます。

     

     

    医薬分業:病院や診療所で医師が処方してくれる薬は、通常は市中の薬局にて購入します。

     

    薬剤費一部負担:医療カード保持者であっても、医師が同じ薬を処方して、その処方箋を持って市中の薬局で購入する場合、購入する本人の所得によって本人負担パーセンテージ(10%~60%)が異なります。旅行者など医療カードを持たない人は全額負担となります。

     

     

    スペインを訪れる皆さんが、けがも病気もなくスペインを満喫して頂けるよう、私どもみゅうも心より願っております。

     

    Lucymama

     

     


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