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ここ数日のマドリード、朝夕の最低気温は3度とか4度でまだまだ寒いものの、快晴が続き日中はポカポカ陽気。
日本も桜の開花が始まり、桜前線が九州から北上して来る頃ですね。
マドリードの春は、1月末に黄色いミモザの花から始まり、2月半ばから白や薄ピンクのアーモンドの花、次に濃いピンクのアメリカンチェリーの花という具合に色彩豊かです。
そしてなんと、長くマドリードに住んでいるにも拘わらず、今年初めて知った嬉しい事実、マドリッドの都心近くで桜の花見ができるんです!
話は2003年まで遡ります。あの頃、スペイン経済はイケイケの高度成長期真っ只中、様々な公共事業が行われている中、マドリード州政府が打ち上げた首都環状線整備とそれに伴う都市整備計画、その名も「Calle 30」。
当時のマドリードは人口増加、交通量増加で、首都環状線M30号線は慢性渋滞。騒音と大気汚染、特にマンサナーレス川沿いの道路は歩行者が横切るのが非常に危険だったり、歴史的モニュメントでもあるトレド橋やセゴビア橋がスモッグで真っ黒でした。
「Calle30」プロジェクトは非常に野心的で素晴らしいものでしたが、ものすごい財政出動を伴うだけでなく、2006年~2012年の長い工事期間中、市内の交通渋滞は正にカオスで、マドリード市民はものすごいストレスの中で暮らしたのを覚えています。
その甲斐あって、M30号線がマンサナーレス川と並行して走る6㎞の区間はすべて地下化され、地表部分は川を挟んだ緑地公園化され、Madrid Rioという長ーい公園になり、今では市民の憩いの場となっています。
プロジェクトにはスペイン広場からマンサナーレス川を横切って西へ向かう幹線道路、Avenida de Portugalの地下化も含まれていました。1.5㎞に渡るこの幹線道路が地下化され、地下2階部分が道路、地下1階部分が長い長いパーキング、そして地表は遊歩道。この遊歩道のテーマは「桜」、桜で有名なヘルテの谷からインスピレーションを得ているのだとか。
遊歩道には1400本の樹木が植えられ、そのうち700本はソメイヨシノ。遊歩道のデザインもよく見ると桜の花びらの形をモチーフにしているんですね。
その桜が見事に育ち、近年、春にはこんな綺麗な花を咲かせてくれるんです。
マンサナーレス川沿いのMadrid Rio公園から西へ向かってゆっくり上り坂になっている1.5㎞の遊歩道、日当たりの関係でしょうか、ソメイヨシノの開花は西の端から始まり、少しずつ東に向かっています。
先週末、私たちが花見に行った時は、中程が満開、東の端はまだ三分咲きという感じでした。おかげで、結構長い間、桜のお花見ができそうです。
春先にマドリードにおいでになったら、Madrid Rio公園の散歩やAvenida Portugalの桜の花見を楽しんではいかがでしょう。
Lucymama
【マドリード】 首都マドリードで桜のお花見、700本のソメイヨシノ
2021-03-14
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