エル・トロカル自然公園、パワースポットの奇岩群 みゅうマドリッド みゅうバルセロナ ブログ記事ページ

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    エル・トロカル自然公園、パワースポットの奇岩群


    2016-03-13

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    今週、エル・トロカル自然公園(Parque Natural de El Trocal)に行って来ました。霊感の強い友人と一緒に行ったのですが、ここはパワースポットと言われていて、UFOも頻繁に現れるところだそうです。

     

    2億年以上の年月をかけて創り出されたカルスト地形で、ヨーロッパと中東のほとんどがテチス海の底にあった時代、脊柱動物、貝類、甲殻類の死骸などが堆積して数千メートルに及ぶ層を形成。中新世中期、イベリアプレートとアフリカプレートが押し合うようになると、堆積物は圧縮され、変形され、断層が生じ、ついには隆起を始め、やがて海から陸上に出現。その後、数千万年の歳月をかけて水、氷、風によって石灰岩層が浸食されて創り出されたのがエル・トロカルの奇岩群の山なのだそうです。最も高いところで1,198メートル、全体の面積は20km平米、かつての海底が隆起してできた岩山はあちこちにアンモナイトなどの化石を見ることができます。

     

    アクセスはアンテケラ(Antequera)の街から車で約20分。A-343号線からA-7075号線に入って山の周りを迂回し、MA-9016号線に入り山肌を縫って登り、入山者案内所(Centro de Visitante)へ。ここには大型コーチも駐車できるパーキングがあり、案内所には簡単なミュージアムの他、カフェテリアやトイレもあります。

     

    奇岩群の間を歩くトレッキングコースがいくつかあります。今回私たちは一番短くて一番難易度の低いというルートを選んだのですが、前日の雪と雨で地面がぬかるんでいたため靴はあっというまに泥だらけ、泥に埋まった靴で岩肌を歩こうとする滑りまくり、もう四苦八苦、45分コースのはずが、1時間半ちかくかかってしまいました。

     

     

     

    トレッキングコースに入らなくても、案内所のすぐそばに展望台があり、そこからの眺めが最高です。奇岩群を眺めることができるだけでなく、南東側には視界が開けているので南にはきらめく地中海を望み、視線を東に移すと雪を頂いたシエラネバダ山脈も見えます。

    展望台からのパノラマ 1

    展望台からのパノラマ  2

    展望台からのパノラマ 3

    展望台からのパノラマ  4

     

     

     遥かかなたに地中海

     

    奥に見えるのは雪を頂いたシエラネバダ

     

     今回はまだ時期が早すぎましたが、高山植物の花々が咲く頃はとても綺麗だと、何度も来ている友人に言われ、花の時期にまた来たくなりました。

     

    スピノサスモモの木

    奇岩群の中を歩いていると野いちごとスピノサスモモがいたるところに茂っています。いずれも鋭い棘で覆われている木ですが、よーく見るとスピノサスモモの枝にびっしりと花の蕾が付いているので、あと少ししたら山中が可憐な白い花でいっぱいになることでしょう。ちなみにこのスピノサスモモの果実を使って作られるリキュールがあのパチャランです。

     

    牛さんもいました。

     

    実は、今回、アンテケラのパラドールに泊まり、前日に一度この岩山に上って来たのですが、なんと途中から雪が舞い始め、頂上に着いたら雪と霧で何も見えず、雪で車が動かなくなることが心配で早々に下山。

    雪の舞うエル・トロカル

    幸い、翌日のリベンジでは抜けるような青空に恵まれました。

     

    私自身、今までその存在さえ知らなかったこのエル・トロカルですが、とても素敵な場所で、お勧めです。アンテケラは昔から街道の要所であり、セビリア、グラナダ、コルドバ、マラガなどの都市を陸路で移動する際は必ず通過する地点ですが、そのアンテケラから車で20分くらいでこの山へアクセスできます。

     

     

     

    例えばコルドバやセビリアからマラガへの途上、A-92やA-45などの自動車専用道からA-343号線(旧街道)に入り、Restaurante El Miradorの展望台でアンテケラの街の素晴らしい眺望を堪能した後、エル・トロカルまで登って頂上で自由時間を取るということも、可能性として十分ありではないかと思いました。

    Google Mapはこちら:https://www.google.com/maps/d/edit?hl=en&hl=en&authuser=0&authuser=0&mid=z5lbtWC9WaoA.kwWglX6_SEiU

     

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    おまけ:アンテケラと恋人たちの岩山伝説

    雪の舞うエル・トロカルを下り、パラドールからアンテケラの街を端から端まで歩いて散策しアルカサバに到着したら雨と雪に追いつかれました。空の半分は晴れ、後の半分は雨、その間に虹まで現れてとても幻想的な眺めでした。

     

    下の写真で、ちょうど虹がかかっている場所、アンテケラの街の奥に見えるのはLa peña de los Enamorados(恋人たちの岩山)と呼ばれている岩山です。アンダルシアがレコンキスタの戦いの中にあった昔、アンテケラを支配するアラブの王に捕らえられたキリスト軍の兵士Telloがアラブの王様の娘Tazgona姫と恋に落ち、誰からも許されない二人は駆け落ちしますが、アラブの王様の軍隊と近くに攻め入ったキリスト軍の両方から追われ、切羽詰った挙句に岩山の崖の上から二人手に手を取って身を投げたという伝説があります。この山をアンテケラから見ると男の人の横顔に見えますが、これは悲しみにくれるTelloの横顔だとか。

     

    この話を聞いてから、この岩山は横顔にしか見えなくなりました。

     

    Lucymama

     

     


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