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先週から、スペインの祝日とその祝日にお店は営業しているのか、ということをご案内をさせて頂いていますが、
その第2部です。*引き続き画像はマドリッドの花暦です。
2.小売店の営業日
日本では街へ出てショッピング、というのはお休みの楽しみ方のひとつですが、スペインでは日曜と祝日は基本的にデパートやブランドショップなどのお店もお休み。
商売っ気がないという気もしますが、レストランなど飲食店や娯楽施設以外のサービス業は、基本的には日曜と祝日は閉まります。
(4月はお馴染みマロニエも花を咲かせます)
しかしながら、人々の生活パターンの変化に伴ってより大きな利便性が求められるようになると同時に、EUの行政主導でサービス業の自由化が推し進められたことによって、スペインでも少しずつ小売業の営業可能な祝日数枠の拡大と営業時間の延長が進んでいます。
(同じ頃、穀物畑にはアマポーラの真っ赤なアクセント)
ここでも再度、行政機構を思い浮かべながらの話になりますが、まずEUでボルケスタイン要綱というサービス業自由化の指針が示され、EU加盟国はそれぞれの国でこれを具体的な法律や条令にするよう指示されました。スペイン中央政府は、この指針に従ってスペインとしての自由化の指針を示し、具体的な条例を作る権限を各自治州政府に委譲したので、各自治州政府はそれぞれが独自の条例で営業可能な日曜と祝日の合計日数枠と営業時間を策定しますが、州によって自由化の進み具合が異なります。まだ自由化条例が決議されていない州もある一方、非常に自由化が進んでいるところもあります。
(5月になるとエニシダが凄い生命力で圧倒。そのタフさゆえ、道路の分離帯などによく植えられています)
因みに、2014年度用に中央政府から示された日曜祝日で営業可能な合計日数枠は17日でしたが、最低でも10日以上の枠を設けるという条件をつけて、最終的な枠の決定権は各自治州政府に委譲されされました。その結果、各自治州政府が打ち出した枠はというと・・・・ ほとんどの自治州が最低限の10日、中には12日としている州もある一方、いくつかの自治州では政府指針最低限を割る8日という枠を設定しているところもあります。そんな中、マドリッド州だけが完全自由化、年間好きなだけ開けて営業してもいいよと、という方針を打ち出しています。
(そして定番5月のバラ。マドリッドもいろんなところにバラ園があります。)
官報で発表された各自治州の枠をよーく見ると、中央政府の指示に従わず最低限を割る8日という枠を設けているのはバスク、ナバラ、カタルーニャなど民族自決意識の強い所だということがわかります。
(5月末になると桐の花によく似た、ハナキササゲがあちこちで可憐な姿を見せくれます)
一方、全国に置いて、これらの枠を超える日曜祝日にも小売店舗を営業できる特例としてZGA(Zona de Gran Afluencia)といものがあります。これは、非常に多くの人が集まる特定の期間と特定の場所では枠の上限を超える日曜祝日も営業してもいいよ、というもの。大きなお祭りの開催期間中、夏のビーチリゾート、冬のスキーリゾートなどが例として挙げられます。
(スペインの街路樹による見られる合歓の木、6月になると桃のようないい香りをあたり一帯に漂わせてくれます)
ただ、これら自治州の条例は「日曜祝日で年間最多何日まで営業可能」という上限なので、すべての小売店舗が営業可能な祝日に開ける訳ではありません。従業員の人的コストと売り上げと相談しながらそれぞれのお店が判断することになります。
(スペインの街路樹の横綱は多分これ、エンジュではないでしょうか。6月から8月まで白い花をつけて遠くから見るととても綺麗)
「この日は休みだけどお店開いてるかなぁ?」という時、「ここが開いてなければ他も開いてないよな、少なくともここは開いているだろう」という目安になるのが、スペインで唯一の百貨店チェーン、エル・コルテ・イングレス(El Corte Ingles)。
このチェーンの営業日検索ページで該当する自治州を選んでクリックすると年間の祝日で営業している日付が表示されます。http://www.elcorteingles.es/centroscomerciales/centroscomerciales/portal.do?IDM=66&NM=2
(夏のスペインと言えばやはりキョウチクトウ。タフだからこれも道路の分離帯によく植えられていますが、猛毒を持っていることはあまり知られていないような)
スペインへ起こしの際は、訪問地の祝日を事前にチェックして、
スペインで心ゆくまでショッピングを楽しんでくださいね。
Oligodendrocito
スペイン豆知識その2 ~祝日にお店は開いているの?~(おまけ:花暦)
2014-11-08
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