哲学の道
ドイツのバーデンヴュルテンベルク州の北西の都市ハイデルベルクは、ドイツの中でも有名な都市で、世界中からたくさんの観光客が訪れます。
ハイデルベルクは芸術的・文学的な文化を強く持つ都市であることも特徴で、ドイツで最も古い大学や哲学の道と呼ばれる小路があります。ハイデルベルクの哲学の道は、学生や教授が気のむくままに歩きながら人生・世界・事物の根本的な原理を探求していたといわれているだけあり、静閑で穏やかな空気が漂います。哲学の道へは、シュランゲン小道を通りハイリゲンブルクという山の中ほどまで歩くため軽い山歩きになります。この道からはハイデルベルクの美しい景観を見渡すことができます。
また、ハイデルベルク城に学生牢、大学図書館などの歴史的建造物が多くあり、芸術家や詩人に好まれていたのは有名で、ドイツの文豪ゲーテもこの街を愛し、生涯で何度も訪れています。
見どころ
哲学の道への途中にあるシュランゲン小道は、細く曲がりくねった道が続き傾斜もかなりあるため楽な道ではありませんが、足元は石畳、左右を石の壁で囲まれている小道で、果樹園の木々が見えるだけのひっそりとした不思議な空間です。また、坂道を登ることで小高い丘から対岸に見える街並や、水面に映るアーチの影が美しいカールテオドール橋を見下ろすことができるので、登山や山歩きが好きな人にはお勧めです。
哲学の道には「哲学者の庭」と呼ばれる立派な広い庭が手入れされ、赤みがかった屋根の旧市街やハイデルベルク城を一望でき、季節に合わせ花々が見事に咲き乱れます。のんびりと散策しながら、見晴らしの良い丘に設置された庭のベンチに座って休憩できます。
哲学の道を少し歩くと幾つかの小さな公園を見つけることができ、緑と空、そして川に囲まれたドイツの自然を堪能できます。その公園の1つ、リゼロッテ広場には、神聖ローマ帝国諸候で、当時西ドイツ地方を納めていた王の娘、ハイデルベルク生まれのエリザベート・シャルロッテ・フォン・デア・プファルツ(1597〜1660)の碑が建てられています。他の公園には、ドイツ・ロマン派詩人・小説家であり「ハレとハイデルベルク」の著者アイヒェンドルフ(1788〜1857)の碑もあり、ハイデルベルクの歴史や文学に関わる人物に思いを馳せることができるのも特徴です。