エルツ城
エルツ城は、ドイツのコブレンツ、モーゼル川の上流にある中世のお城です。12世紀に居住していた一族の子孫が、今も城を所有しており、その歴史は、伝説や歴史的なイベント、有名な人物や偉大な芸術の宝庫です。
エルツ城は、11世紀から13世紀にかけて築城されました。モーゼル渓谷とアイフェル地方の貿易ルートにまたがる軍事的に重要な位置に建っていたため、フレデリック・バルバロッサのもと、帝国の強固な要塞として君臨しました。1472年に、ゴシック建築のルベナック・ハウスが完成しました。1490年から1540年の間に、アーチ形の天井のバナー・ルームを備えた、ゴシック建築のロデンドルフ・ハウスが作られました。1530年頃には、全ての部屋に暖房悦日を備えた、ケンペニック・ハウスが完成しました。
城の中の、ルベナック・ハウスとロデンドルフ・ハウスは一般公開されており、ケンペニック家は、その他の3番目の城を使用しています。
見どころ
ドイツのコブレンツにあるエルツ城のメインアトラクションは、その素晴らしい建築様式です。地上35メートルにそびえる8つの塔は、騎士の城としてふさわしい卓越した建築美を誇ります。中庭は、500年の建物の歴史を物語っていると同時に、限られたスペースの中でエルツの3家族が暮らしていた、色鮮やかで、時に入り組んだ共同生活の名残を示しています。
エルツ城の武器庫や宝物庫は、ヨーロッパにおいて最も重要なコレクションの一つとみなされています。希少価値の高い金や銀で作られた工芸品、磁器、宝石、ガラス細工、象牙製品、コイン、850年の歴史を刻む武器などが所蔵されています。
騎士の間は、城で最も重要な部屋です。重厚なオーク材の天井のもとで、鎧や、言論の自由を象徴する道化師のマスクなどが見られます。3家族が、会議や催しのために集った部屋です。訪問者に最も人気があるのが、ランドルフ・ハウスのキッチンで、中世の生活を鮮やかに表現している部屋です。15世紀に作られた当時から、ほとんど手を加えられていません。
エルツ城で最も目を引く芸術品は、ルーカス・クラナックによって描かれた、マドンナ・ウィズ・チャイルド・アンド・グレープのマスターピースです。16世紀の半ばから、城に飾られています。1600年頃に作られたヨアヒム・フリースによる「狩猟の神」は、飲酒ゲームの一環として使用された機械仕掛けのおもちゃで、宝物庫のハイライトです。