ロンダ旧市街
スペインのアンダルシア地方南岸にある都市ロンダは岩だらけの大地の上にあり、断崖絶壁の街として知られています。ロンダ渓谷によって街は旧市街と新市街とに分断され、それぞれ魅力ある街として世界中から多くの観光客が訪れています。
ロンダの街の歴史は古く、新石器時代には周辺に人の定住があったと見られています。現在の街の基盤が造られたのは紀元前3世紀頃であり、古代にはローマ帝国、中世にはイスラムの支配を受けるなど街は様々な変化を強いられてきました。15世紀に後のスペインの中核となるカスティーリャ王国に組み込まれ発展し、現在では観光業を中心に栄えています。
ロンダ旧市街にはイスラム時代の名残を残す建物や近代以降のキリスト教的建造物、世界最古の闘技場など見所はたくさんあり、訪れる人の目を楽しませてくれています。そして何よりも街全体が崖の上にあり、天空の街から見下ろす景色は思わずため息が出てしまうような美しさです。その景色を見ながら街を散策するだけでも充分に楽しむことができます。
見どころ
スペインの激動の歴史の中にあり様々に変化を遂げてきたロンダの街には魅力的なものがたくさんあります。特にロンダ旧市街には時代ごとに変わる芸術様式が多く残され、それを追っていけばこの地が歩んだ歴史を感じることができるでしょう。
城塞都市であったロンダの街は至るところにその名残があり、街の東側にはヒハーラの城門というイスラム時代の城壁の一部が残されています。城壁のある大地からはアンダルシアの景色を臨むことができ、また夜にはライトアップされているので昼とは違った顔を楽しむこともできます。また旧市街と新市街とを結ぶヌエボ橋は18世紀頃建築された橋で、街のシンボルとして知られています。ロンダ渓谷にかかるこの橋は100m近い高さを誇り、景色の美しさと橋自体の歴史的価値によって観光客の人気を集めています。街中へ進んでいくと目に入るのは一際大きな建物、聖母マリア教会です。イスラム支配下にあったモスクの跡地に建設されたもので、イスラム建築とキリスト教的建築様式が融合した「ムデハル」という建築様式で建てられた特徴的な建物です。この聖母マリア教会のある広場はパルセンツ公爵夫人広場と呼ばれ、旧市街で最も大きな広場であり、教会の他にも18世紀に建てられた、アーチが特徴的な市庁舎や聖イザベル修道院など見所はたくさんあります。またオレンジの木に囲まれる広場には噴水があったりカフェがあったりと人々の憩いの場となっています。
一つの街でありながら、様々な時代の異なる文化を体験できるロンダで歴史探索をしてみてはいかがでしょうか。