マドリード王宮(オリエンテ宮)
マドリード王宮(オリエンテ宮)は、スペインのマドリッドにある、スペイン王室の公式の居城です。しかし、実際に王族は暮らしておらず、国家の式典のみに使用されています。王宮は、スペイン国家が所有しており、国家遺産を管轄するパトリシオ・ナシオナルによって管理されています。
マドリード王宮(オリエンテ宮)は、9世紀に建てられた要塞の跡地が、フアン2世、カール5世、フェリペ2世が豪華な王宮へと造り替えられ、1561年にはスペイン王室の公式の宮殿に制定されました。フェリペ2世とフェリペ4世によって、贅沢な装飾が施されましたが、1731年のクリスマスイブ、火災で全焼してしまいました。
1738年から、フェリペ5世は王宮の再興を始め、ベントゥラ・ロドリゲス、フランチェスコ・サバティーニ、スシメントらの協力により、1755年まで続けられました。
完成後、1764年に最初にマドリード王宮(オリエンテ宮)を占拠したのは、カルロス3世です。
見どころ
スペインのマドリッドにあるマドリード王宮(オリエンテ宮)において注目すべきなのは、広大な王宮の中に施された煌びやかな内装や芸術作品です。正面階段では、フェリペ・デ・カストロとロベルト・ミゲルの側に、1匹ずつライオンの装飾が置かれて、天井には、コラド・ジアキントによるフレスコ画が描かれています。図書室の本棚には、カール3世、イザベル2世、アルフォンソ12世の時代の書籍が並んでいるほか、イザベル1世の時祷書、マリア・デ・モリナの聖書などもあります。王室薬局では、18世紀から19世紀にかけて使用されていた薬瓶などが展示されています。王立武器博物館には、古いものでは13世紀の武器が所蔵されており、世界で最高レベルの武器博物館の一つとされています。中でも、カール5世とフェリペ2世のために作られたトーナメント用の武器は、展示のハイライトとなっています。
カール3世の居室の警備室には、ソロモン王の生涯を描いた絵画が飾られています。天井にはフレスコ画が描かれ、ブロンズ製のシャンデリアがつるされています。謁見室には、4つのブロンズ像が飾られている他、天井にはスペイン王族を神格化したフレスコ画が描かれています。その他、世界で唯一完全な形で残っている、ストラディヴァリウスの弦楽四重奏、磁器、タペストリー、家具などがあります。
また、宮殿の中央にある庭では、フェリペ6世とレティシアの結婚披露宴が行われました。