コドルニウ
スペイン北東部、地中海に面するカタルーニャ地方は、自然豊かな場所で特に沿岸部は温暖で過ごしやすい地中海性気候のリゾート地として知られ、世界中から観光客が訪れています。スペイン第2の都市であるバルセロナを中心として古くから貿易港として栄え、異文化の影響を色濃く受けながら独自の文化・歴史を形成し発展してきました。
金融、重工業の先進地域であり観光業も盛んなバルセロナは経済の中心地として栄えていますが、それだけでなくカバと呼ばれるスペインワインの産地という顔も持ちます。世界最大規模のワイナリー・グループであるコドルニウも設立当初からカタルーニャ地方を拠点とし、バルセロナに本部を置いています。コドルニウは16世紀半ばよりこの地でワイン製造を始め、フランス・シャンパーニュ地方のシャンパンを参考にスペインで初めてスパークリングワインを製造したことで有名です。現在ではスペイン国内に7棟のワイナリーを持ち、観光客向けに見学や試飲を行っています。
見どころ
コドルニウは1551年創業、現当主は18代目という伝統あるワイナリー・グループで、生産量は世界第2位を誇り世界100カ国以上に輸出をしています。創業当時はブドウ栽培と一般的なワイン製造を行っており、カバと呼ばれるスパークリングワインの製造を始めたのは19世紀末のことでした。1894年の国際博覧会でスペイン産ワインとして初めて金賞を受賞し、1897年には王室御用達となりその後様々な王室行事でコドルニウのカバが使用されています。
ブドウ栽培からワイン醸造、貯蔵に至るまでの全ての工程を自社で行っており、国内だけでも7つのワイナリーを持ちます。そのうちの一つ、バルセロナから北西45kmほどのところにあるサン・サドゥルニ・ダノイア村のワイナリーでは観光客向けの見学ツアーが行われています。
ワイナリーへ行くと、初めにコドルニウの歴史とワイン作りを説明した映像資料を見ることができます。その後は中庭を通ってワインの製造工程に沿って見学し、トロッコに乗って全長30kmもある地下蔵を周り受付へと戻ります。そしてツアーの最後にはカバの試飲があり、スペイン伝統の味を楽しむことができます。受付近くにはショップもあるので、お土産に日本では入手困難なスペシャル・カバなど買ってはいかがでしょうか。
またこのワイナリーはガウディと同時代に活躍した建築家ジュゼップ・プッチ・イ・カダファルクの設計によるもので、スペインの近代建築様式を代表する建物でもあります。1976年には国の重要文化財に指定され、建物それ自体にも見る価値があります。