チーズ転がし祭り
チーズ転がし祭りはイギリスで最もユニークでスリリングなお祭りの一つです。イギリス西部のグロスター郊外の田舎町で行われるこのお祭りのメインは、なんと言っても転がされたチーズを奪い合う過激なチーズ転がしレースです。草原の丘の急斜面から転がされたたった一つのチーズを追いかける挑戦者たちの駆け下りる姿は、ダイナミックで刺激的。中には滑って転倒したり、チーズと一緒に転がる事もあるので挑戦者たちは泥まみれになったり怪我したり、中にはズボンがボロボロに破れる人も。そのため過酷なレースを見事に勝ち抜いた挑戦者には観客から惜しみない拍手が沸き起こります。怖いもの知らずの挑戦者や観客の人数は約5,000人にも及び、小さな田舎町はこの時期になると大変な盛り上がりを見せ、年齢や性別に合わせたレースが用意されています。2007年に日本のバラエティー番組内でチーズ転がし祭りが紹介されたことから、日本での注目度も高まっています。
見どころ
世界的にもユニークなチーズ転がし祭りは、イギリスの小さな田舎町で行われていた宗教的な祭りから始まりました。今ではその過激さが海外の観光客からも人気となり、国内外から訪れる多くの挑戦者たちは、優勝賞品よりもこのレースに優勝することそのものを目的としています。足自慢、体力自慢の駆け下りる勇姿は大迫力で見ごたえがあります。中にはスパイダーマンなどのコミカルなコスプレで祭り自体を楽しむ方も多く、忍者の格好をした日本人参加者が優勝したこともあります。女性専用のレースも設けられており、さらに子供たち向けに丘からお菓子がばら撒かれるお菓子拾いレースも行われていて子供たちからも人気となっています。付近にはいくつかのバーがあり、地元の方と一緒にお酒やおつまみを楽しみながら祭りを盛り上げるのも、チーズ転がし祭りならではの楽しみ方のひとつです。祭りでは安全のためにレプリカのチーズが使用される事もありますが、昔からレースに使用されていたチーズは、ダブルグロスターチーズと呼ばれる伝統的なセミハードタイプのチーズで、16世紀にほぼ絶滅しかけたグロスター牛の乳で作られています。グロスターの新鮮な牛乳から手作りで丁寧に作られたこのチーズは、ファーマーズマーケットや周辺の店、レース用のチーズを生産している農場から購入することもできます。