ジェンツァーノの花祭り
イタリアの首都、ローマの南東に位置するカステッリ・ロマーニは、アルバーノ湖やネミ湖などの火山湖とアルバーノ丘陵で有名な地方です。緩やかな気候とともに広がる美しい景色で多くの人たちを魅了し続けています。古くは、古代ローマ皇帝や、中世・ルネッサンス期の貴族たちによって次々と別荘が建てられ、そこから「ローマのお城」という名前が付けられました。(カステッリCastelli=城/ロマーニRomani=ローマの)カステッリ・ロマーニには数多くの自然豊かな町が多くありますが、今日まで世界中からたくさんのファンが集まる「ジェンツァーノの花祭り」で有名なのがジェンツァーノ・ディ・ロマーニです。ジェンツァーノの花祭りの目玉であるインフィオラータ(別名:花のじゅうたん)を楽しみに多くの観光客が集まります。素朴でのどかなこの小さな町はゆっくりと散策するのにおすすめの町です。
見どころ
毎年恒例「ジェンツァーノの花祭り」はキリスト聖体祭(コルプス・ドミニ)に行われます。この花祭りはキリストの聖体を迎えるために道に花をまく習慣があったことが始まりとされています。イタリアではこのような花祭りが各地で行われていますが、1778年から200年以上続けられているジェンツァーノの花祭りは最も有名です。この花祭りは、教会までの参道を花で埋め尽くすインフィオラータが一番の見どころです。インフィオラータとはイタリア語で「花をあしらった」という意味があります。このお祭り期間は、ジェンツァーノの小さな町の道が華やかな花のカーペットへと姿を変えます。この花のカーペットはデザインコンペで勝ち残った団体によって2日かけて完成されます。そして季節色とりどりの花々を使って描かれるインフィオラータの中央をキリスト聖体の行列が通っていきます。なかでも緩やかな傾斜が続くイタロ・ベラルディ通りは圧巻の景色となり、毎年イタリア国外から集まる数十万人もの観光客はその美しさに目を奪われます。聖体のパレードを迎え入れるこの花のカーペットはおよそ200メートルほどの巨大なアートとなり、ヨーロッパ有数の花の祭典として高い人気を誇っています。完成前に町へ訪れると花絵の制作途中を観賞でき、また翌日には壮大な花絵をじっくり見てまわることができます。フィナーレで子どもたちによって花々はまき蹴り散らされるので、どの瞬間も見逃せません。