セビリヤの春祭り
セビリヤの春祭りはフェリア・デ・アブリルと呼ばれる祭礼で、聖週間の約2週間後に6日間開催される、スペイン三大祭りのひとつです。毎年時期は異なりますが4月下旬頃に開催されます。ナポレオン戦争や自然災害で疲弊した国内を元気づけるため、スペイン北部出身の議員によりかつて行われていた畜産見本市の復活が提案され、19世紀中頃、女王イザベル2世の同意によりセビリア郊外で行われた初の見本市が祭りの起源です。その後、世界大戦や農業の機械化により、家畜の見本市から祝祭の要素が強くなっていきました。現在はカセタと呼ばれる祭り小屋が立ち並び、その中でパーティーやダンスが行われています。女性はフラメンカという伝統的な衣装を着て、男性はコルドベスまたはソンブレロと呼ばれる帽子をかぶるのが理想とされています。春祭りはセビリヤの人々が一年のうちで最もの楽しみにしている行事といえます。
見どころ
セビリヤの春祭りの特徴は、1000戸以上も立ち並ぶカセタと呼ばれる布でできた祭り小屋です。カセタではマンサイージャという辛口のシェリー酒を飲み、食べて、フラメンコの一種であるセビジャーナスを歌い踊りながら楽しみます。カセタはプライベートなもので多くは招待制ですが、入口は空いているので中の様子を見ることはできますし、観光客向けの公営のカセータもいくつか設営されています。フェリアの期間中はフラメンコショーや移動遊園地、闘牛の興行が行われます。移動式の遊園地ではスリリングな乗り物から、小さな子供用遊具、観覧車などあらゆるアトラクションが揃っています。祭り中は伝統的なフラメンコの衣装を身につけた人々が馬車で闊歩する姿を見ることができます。女性が着るカラフルな民族衣装は時には数ヶ月もの時間をかけて作られ、何年も大切に使われるものです。毎年デザインされる祭り会場入口の門のイルミネーションはセビリアの歴史に関したものが施され、夜になると会場全体が不夜城のようになります。祭りは毎日、闘牛場までのパレードで始まります。セビリヤの春祭りはスペインの闘牛の中でも大きなイベントで、有名な闘牛士が登場することもあります。春祭りはアンダルシア人の陽気で開放的な気質を知る絶好の機会かもしれません。