ポルトガル ファティマ大聖堂の観光・見所について

ファティマ大聖堂

ファティマ大聖堂

ポルトガルの首都リスボン北部、サンタレン県の都市ファティマ。かつてはオリーブの木が点在する荒れ地だったこの都市は「ファティマの聖母」出現の地として広く知られています。第一次世界大戦中、1917年5月13日。羊の番をしていた3人の子ども、ルシア、フランシスコ、ヤシンタの前に、突然、聖母マリアが現れ、様々な預言をおこないます。子どもたちの嘘と誰もが半信半疑だったのですが、その噂は評判になり広まっていきます。1917年10月13日には、この場所に集まっていた人々が、太陽が急降下し回転を繰り返す光景を同時に幻視します。この事件はポルトガルのあらゆる新聞で大々的に報道され、多くの人々にこの出来事を知らしめることとなるのです。後にローマ・カトリック教会は、ファティマでの聖母マリア出現を奇跡として認め、最初に聖母が現れた5月13日は「ファティマの記念日」と制定されるのです。こうしてファティマはカトリックの聖地となり、多くの巡礼者が「この地に礼拝堂を建てよ」という聖母のお告げにより建てられた、ファティマ大聖堂を訪れることとなりました。

ファティマ大聖堂1

見どころ

濃紺の青空に映える白、高さ65mの塔をもつネオ・クラシック様式のファティマ大聖堂は、バジリカ式建築の聖堂です。バジリカはキリスト教において特別な高い地位にある聖堂に使われる名称であり、建築の平面形式のひとつです。古代ローマ時代より用いられた建築様式であり、中央の身廊の2辺ないし、それ以上の辺を側廊により取り囲むものがバジリカ式建築とされます。ファティマ大聖堂と、三位一体教会が建つ広大な広場は、約30万人が収容できる広さで、聖母が現れた日・5月13日と、その前日に行われる「聖母出現祭」には、訪れた巡礼者で埋め尽くされるのです。広場中央にはキリスト像が立ち、足下からあふれている泉の水は「聖なる水」とされ飲むことができます。大聖堂の左手には、聖母が現れた場所「出現の礼拝堂」があり、巡礼者のろうそくの火が絶えません。荘厳な大聖堂内部では、多くの人々が熱心に祈りを捧げています。色鮮やかなステンドグラス、側面のアーチの装飾も見事です。おごそかな祭壇の横には、預言を聞いた子どもたち、幼くして亡くなったフランシスコとヤシンタの墓があります。97歳で天に召されてたルシアの墓もこの場所に移される予定です。ファティマの街は大聖堂を中心とするこじんまりしたお洒落な街並みで、広場の外側に並ぶお土産屋には、キリスト教にちなんだキリスト像、マリア像、3人の子どもたちを模したグッズも見られます。また、子どもたちと聖母の出会いを蝋人形とジオラマで分かりやすく再現した「ファティマ蝋人形館」があります。