アルコバサの修道院
アルコバサの修道院は、中世のローマ・カトリック教会で、ポルトガルのイエステ、アルコバサに位置しています。1153年に、初代ポルトガル王のアルフォンソ1世によって建設の命が下され、1223年に修道院の建物が完成しました。長い歴史にわたり、ポルトガル王一族の直属の機関によって管理されてきました。アルコバサの修道院は、ポルトガルで最古のゴシック建築の建物で、コインブラにあるサンタ・クルース修道院と共に、ポルトガルで最も重要な中世の修道院の一つでもあります。中世において、最後に手が加えられたのは静寂の回廊で、13世紀の終わりに完成しています。その芸術的および歴史的な重要性により、1989年にユネスコの世界遺産に登録されました。また、アルコバサの修道院には、アフォンソ4世によって悲しい終りを遂げた、ペドロ1世の愛妾イネス・デ・カストロの墓もあります。ペドロ1世とイネス・デ・カストロの悲恋は、多くの文学作品の題材にもなっています。
見どころ
ポルトガルのアルコバサの修道院の見どころは、美しいゴシック建築の建物です。修道院のファサードは、色々な様式が混合されています。ポータルとバラ窓は、オリジナルの教会の一部で、彫刻と2つの側塔は、18世紀初めに建て増しされたものです。アルコバサ修道院の側面の壁は銃眼付きで、後陣は、8つのフライング・バットレスがあり、後陣のヴォールトの重さを支えている、典型的なゴシック建築です。内層のほとんどの部分は、フランスに帰来するクレールボーのアビーのデザインにしたがっています。翼廊と3つの側廊のあるラテン十字のデザインです。コラムと壁には装飾が行われず、シトー修道会の方針に従って建てられています。メインの礼拝堂は、放射状に広がる天井桟敷に囲まれています。そして、修道院の翼廊には、ポルトガル王のペドロ1世と彼の愛妾イネス・デ・カストロの墓があります。イネス・デ・カストロは、ペドロ1世の父であるアフォンソ4世の命令のもと、1355年に暗殺されました。ペドロ1世が王になった後、イネスの遺体をアルコバサの修道院へ運ばせました。その他の見どころとしては、翼廊の南側にあるセント・バーナードの礼拝堂、18世紀の終わりに建てられたロイヤル・パンテオン、16世紀の初めに建てられたマニュエル様式の聖具室、青と白のタイルで装飾されている王の間、修道士の住居であったドミトリー、食堂、沈黙の回廊、キッチンなどがあります。