マイセン磁器博物館
ドイツのエルベ川のほとりの街、マイセンは美しい絵付けの磁器で有名な街です。近くに川があることから、製品の輸送が容易であり、また近くに磁器の原料であるカオリンの産地あるなど地形的にも磁器作りに適した街です。もともとここで陶磁器文化が花開いたきっかけは17世紀の昔、当時非常に高価だった中国や日本からの磁器を西洋でも作り出すことを目的としたからです。中国の景徳鎮や日本の伊万里から輸出された白磁(地肌が乳白色のすべすべとした質感の焼き物)は、その色鮮やかで繊細な絵付けとともに王侯貴族を虜にし、それらをコレクションすることがステイタスだったのです。ドレスデンに設立された王立ザクセン磁器工場がもととなって、現在のマイセン磁器博物館があります。現在でもここで磁器を製作しており、製作過程の見学や今までの膨大なアーカイブにコレクション、さらにマイセン製品を販売するショップも併設したこの地方でも指折りの観光スポットです。
見どころ
ドイツの大都市ドレスデンから電車でも約40分の街マイセンは、街の名をそのまま冠したマイセン焼きの故郷です。街で一番の観光名所がマイセン磁器博物館です。高い吹き抜けのある三階建ての建物の内部はまさに過去から現在の全てが詰まっています。展示される品は膨大で、さらに展示の入れ替えも行われるので何度行っても新しい魅力を感じられる博物館です。ブルーオニオンという青い染付けの磁器が一番有名ですが、この磁器博物館には、シャンデリアや人形、パイプオルガンに至るまで全てがマイセン焼きでできています。さらに職人が実際に絵付けをしている工程や、人形の製作などを見学できるので、磁器に興味がある人もない人も興味深く見学ができます。日本語用の説明ガイドイヤホンの貸し出しもあり、言葉の心配はありません。また敷地内のビジターセンターにはレストランやカフェもあります。もちろん使われる食器はマイセンの焼き物が使用されており、普段なかなか使用することのできない高級食器マイセンの使い心地を実際に体験できます。古い建物をリノベーションしたビジターセンターは、陶板でできた極彩色の陶板画で彩られ、内部の装飾も豪華そのものです。博物館やレストランで素晴らしさに触れた後は、大きなギフトショップでの買い物も楽しめます。ほんの少しの傷やかすれのある製品は出荷しない高級食器メーカーですが、ここではそういったものをB級品として格安で販売しているので、手頃な価格で手に入れたい人にはうってつけです。